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八条学園怪異譚
第十九話 口裂け女その十三
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「というこかそんな格好で今時町を歩いたら」
「私はいいと思うけれど」
「よくないわよ。何時の格好よ」
「ううん、駄目なのね」
「もうちょっと新しい格好にしたら?」
「あたしスケ番の服も好きなんだけれどね」 
 口裂け女は口裂け女で古い服を出す。
「長いセーラーのスカートいいだろ」
「で、そのロングヘアにマスクよね」
「似合うと思うけれどね、自分でも」
「却下だから」
 聖花は口裂け女のにこにことした提案にも駄目出しをした。
「それもね」
「何よ、厳しいわね」
「私達の今の制服とか見ても何も思わないの?」
「短いスカートだね」
 二人共今時の女子高生のファッションなのでスカートは短い、若さを感じさせる素足が見事なまでに露わになっている。
 口裂け女はまずその足を見て言う。
「寒くない?」
「冬はタイツとかストッキング穿くから」
 大丈夫だというのだ。
「毛糸のパンツもあれば半ズボンもあるし」
「ブルマじゃないんだね」
「それはもう絶滅種だから」
 二人も穿いたことがない、聖花は今回もブルマを否定した。
「アニメか大人のゲームだけのものよ」
「大人のゲームねえ」
「とにかく冬はそういったのでガードしてるから」
「大丈夫だっていうのね」
「そう。冬もね」
 実は聖花も愛実も冷え性の傾向がある、それで冬はちゃんとガードを固めてがちがちにしているのである。
「守ってるから」
「そこも真面目だね。まあとにかくあんた達のお店にはね」
「本当にその格好では来ないでね」
 聖花はこのことは強く念押しをした。
「絶対に」
「うちにもよ」
 愛実も当然の様にして言う。
「その格好だけはね」
「本当に厳しいわね」
「厳しいも何もね」
「その格好は変質者にしか見えないから」
 今時の娘である二人から見れば特にそうなのだ。
「家政婦の何とかさんに見えないこともないけれど」
「とにかくお店に来たら通報するしかないから」
「一回お巡さんにも見せたんだよね、この口」
 口裂け女の生きがいは警官にも向けられたのだった。
「いやあ、そうしたら大騒ぎになってね」
「発砲されたの?」
「日本の警察で発砲したらそれ自体がニュースじゃないか」
 だからそれはなかったというのだ。
「その代わりすぐに子供が集団下校はじめてね。社会問題にまでなったんだよ」
「ああ、あの話それがはじまりだったの」
「そうだよ。まあこれ以上ここで立ち話も何だし」 
 それでだというのだ。
「博物館の中で紅茶にお菓子を食べながら話そうか」
「お菓子なら結構あるわよ」
 花子さんは二人ににこにことして話した。
「クッキーとかもね」
「本当に遠慮することはないからね」
「そこまで言ってもらったらね」
「断るのも失礼
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