第57話
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美琴は「学舎の園」の中を回りながら様々な施設を説明しつつ案内をする。
しかし、どの店も女性用のそれもお嬢様を客とする店しかないので、麻生に説明するのはあまり意味がないのかもしれない、と美琴は思った。
必要な場所を説明し終わる時には既に夕暮れ時になっていた。
周りにも自分の寮に戻る生徒がちらほら見える。
「これで説明はお終い。
そういえば、あんたはどこの寮で寝泊まりするのか聞いている?」
「いや、何も。
おそらく、さっき貰った資料に書かれているだろう。」
麻生は理事長から貰った封筒の中身を確認する。
中には常盤台中学の生活についての注意事項などが書かれており、その中に麻生が宿泊する寮が書かれている。
「この「学舎の園」の中にある常盤台の女子寮に泊まるように書かれている。」
「そこまで忠実に常盤台の生徒として扱うのね。」
常盤台中学の女子寮は二つあり、一つは「学舎の園」の中に、もう一つは外にある。
美琴は外の女子寮に泊まっており、麻生が泊まるのは中にある女子寮だ。
「とりあえずその女子寮まで案内するわ。」
美琴は麻生を女子寮まで案内する。
少しして常盤台の女子寮が見えてくる。
石造り三階建ての洋館じみた建物が立っていて、麻生や上条が暮らしている学生寮とは比べ物にならなかった。
「此処が常盤台のもう一つの学生寮。
私はこの学生寮については全然知らないから寮監に聞いてちょうだい。」
「分かった。
案内してくれてありがとうな。」
その言葉を聞いた美琴は少し顔を赤くしながら言う。
「べ、別にあんたの為じゃないから。
理事長に言われて仕方なくやったんだから。」
「そうだったな。
じゃあ明日は学校でだな。」
バックを背負い麻生は女子寮に入っていく。
美琴ははぁ〜、とため息を吐いて少しだけ麻生の事を心配する。
お嬢様というのはひどくプライドの高い人が多い。
麻生が女子寮に入る事で何かしらの問題が起こるだろう。
少し心配していた美琴だが麻生の能力などを考え、問題ないだろうと考え直す。
表沙汰に公表できないが、あの第一位である一方通行相手に勝利するという神業をやってのけた男だ。
学力の方はまだ知らないが美琴は何故か大丈夫だろう、と思い自分も学生寮に戻るのだった。
美琴と別れてから学生寮に入り、まずは寮監にあいさつに行く。
学生寮の中も麻生がいるのとは全く違い、別世界とも思えるほどだった。
何せ、シャンデリアが吊るされており、床には高級感溢れる絨毯がひかれている。
さらに有名な画家が描いた絵画や壺なども置いてあった。
廊下に歩いている女子生徒に寮監の部屋の場所を聞いて、その場所に向かう。
部屋の前に
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