第64話 =橋上での激戦!=
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『諦める』は「一度死んでセーブポイントに戻ってからここまで飛んでくればいい」と言う意味だろう。でも、俺の前で仲間が死ぬのをどんな理由があっても納得して諦めれるほど俺は大人じゃない。
「うぉぉぉぉぉぉっ!!」
同じく諦めていないキリトは雄叫びを上げて壁のような相手に飛びかかるとその隙間に剣を差込み強引に突破しようとする。
その思いがけない行動にリーファ、そして相手側全員驚いているが攻撃判定の出るものではないので効果的なダメージは望めない。何重にも魔法をかけるがスキルが低いため大きなものは使えず、結果は微妙だった。
「…ユイ、なんか方法あるか?」
いつの間にか俺の肩にいたプライベートピクシーに訊ねると何かあるのかその小さな首で縦に頷く。
「残りもマナを全部使って、次の魔法攻撃をどうにか防いでください!!」
「…らしいけど、リーファ、いける!?」
「……でも……」
リーファの眼は「そんな事をして意味があるのか」と言っているように迷っていた。だが目の前で行われている戦い、俺とユイを交互に見た後、覚悟を決めたのか両手を天にかざして詠唱を始める。それも早口、失敗するリスクを省みずに、だ。
「…よし!陵、其は崩壊の序曲を刻みし者、重圧!…エアプレッシャー!!」
この橋の上で行われた全ての詠唱はリーファが一番に終わり効果が発動、無数の小さな蝶が手のひらから飛んでいきそのまま
キリトを包み込む。そしてサラマンダーのキリトのHPを半分は削り取る威力を持つ火球の魔法が完成、しかも何人も同時に同じ魔法を詠唱していたらしくそれがいくつも飛んでくる。さすがにそれを全部喰らえばリーファの魔法といえど耐えられるかどうか判らない…が、判らなくなるのならそのいくつかの軌道を逸らせばいい、ということで俺の術だ。今の俺のスキル値で足りるかどうか、そして術で術の軌道をずらせれるかどうかは賭けだったが…。だが賭けは成功したらしくキリトの前に重力場が発生しいくつかの火球がそこに飲み込まれていくように軌道を変え地面へとぶつかる。
「パパ、今です!!」
紅蓮の炎の中に立つキリトはユイの指示を受けて剣を掲げ呪文の詠唱を呟く。
「さぁ…驚かせてやろうぜ!」
スペルワードを全て言い切り魔法を完成させる。それと同時に、エアプレッシャーとリーファの防魔呪文の効果が切れ、キリトを炎の渦が包み込む。
後々リーファに聞いたら、「幻影魔法で変化する姿は攻撃スキル値によって変わるけど、大体がパッとしないモンスターになるんだよ」とのことらしい。
だが、炎の渦から出てきたのはパッとしないモンスター…ではなく巨大な悪魔そのもの、まるでいつか戦ったことのある悪魔『The Gleameyes』のようだった。頭部はヤギのように長く
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