第十一話「ケーキと言ったらやっぱりショートでしょ!」
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えた。
人数分に切り分けたソレがついに僕の前にやって来た。
僕は震える手を抑えながらフォークで一切れ、口に運ぶ。
――ッ。
ケーキを口に入れたその時、僕の中で革命が起こった。今まで数々のケーキを食してきた中でこれほど美味しいショートケーキは出会ったことが無かった。
クリームの舌触りといい、絶妙な甘さ加減といい、スポンジの柔らかさといい、美しい見た目だけでなく味まで超一級品。
――僕が今まで食べてきたケーキは、一体なんだったんだろうか……。
「どうかしら? 私と朱乃の合作なのよ」
な、なんと! この美しくも素晴らしい芸術のようなケーキをこのお二人が……!? まさか、そこまでの御仁だったなんて!
――僕は今日、神に出会った。
「ちょ、ちょっと! どうしたのレイ!?」
「あらあら」
「レイさん!」
「レイくん?」
「……先輩」
「うおっ、何で泣いてんだよ!」
そう、気が付けば僕は涙を零していた。僕の意志とは関係なく双眸からポロポロと涙が溢れる。
朱乃ちゃんが僕を抱きしめ、頭を優しく撫でてくれた。
「どうしたんですか?」
されるが儘の僕はやっとの思いで口を開ける。
「……か」
「か?」
「感動した……」
「ケーキ一つでどんだけなんだよ!?」
イッセーがなにやら喚いている。だが、そんなことよりも朱乃ちゃんとリアスちゃんにこの胸の想いを伝えたい。
「朱乃ちゃん朱乃ちゃん」
「あらあら、どうしました?」
袖をクイクイと引っ張りこっち見てアピール。屈んでもらい、
「ありがとう」
――チュ。
その頬にキスをした。
「……え?」
呆然とした様子の朱乃ちゃんの元から離れ、リアスちゃんの所へ行き同じく感謝の口づけを。
「リアスちゃんも、ありがとう」
――チュ。
「なっ……」
呆気にとられたリアスちゃん。朱乃ちゃんもまだ復活していなかった。
「レ〜イ〜……!」
怒り心頭のイッセーが鬼の形相で迫ってくる。その横では木場くんが肩を竦め、アーシアちゃんが頬を赤らめ、小猫ちゃんがジト目でこちらを見ていた。
「はうぅ〜」
「……先輩、不潔です」
イッセーはやれけしからんだとか、羨ましいとか、何故お前ばかりがモテるんだとか、ガミガミと煩く言ってきた。どうやら怒っている模様。なじぇ? ただ感謝の気持ちを表しただけなのに。
正
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