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帝国陸軍
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これから世話になるかもしれない。その時は宜しく頼む」

 まだ気が早いかもしれないが、十中八九XFJ計画は横浜基地へと場所を移動する事になるだろう。その時には篁中尉とも顔を幾度か合わせる事になるかもしれない。最も俺は所詮一隊員であるために、二本側の開発主任である唯依中尉と接点が生まれるのかと言われれば疑問だ。

「ッハ!此方こそ宜しくお願いします!」

 それにしてもこの年で出来た人間だ。見た目から察するに俺と同じ年ぐらいの人間だろうに、日本側の開発主任にして中尉…。俺も一応少佐と言う肩書きは持っているが、それは本当に肩書きにすぎない。空っぽの勲章だ。

 それに比べこの唯依中尉が持つ肩書きは間違いなく己の努力で手に入れてきたものだろう。先程は努力家などと勝手な事を行ったが、その行動の元にはいったいどれだけの過去があるのか、気になる所だ。当然初対面の人間にそんな事は聞けないが。

「どうだい?うちの唯依ちゃんは。中々に聡明で可憐だろう?」

 可憐…と言うよりは美しい、と言う言葉の方がしっくりくるか?…って俺は何を考えている。巌谷中佐の雰囲気に飲まれてどうする。あくまで自分のペースを保つんだ。

「お、おじ様!このような場で、ち、ちゃん付けは止めてください!」

「おっと、それはすまなかったね唯依"ちゃん"」

「ッ〜!!」

 最早わざとやってるのではないかと思える巌谷中佐の言動に唯依中尉は赤く染まった顔を下に俯かせ、肩を小さく小刻みに震わせている。

「唯依中尉。取り合えず腰を下ろして話さないか?」

 このままでは話が進みそうにないので肩を震わせる唯依中尉に言葉を掛ける。

「あ、も、申し訳ありません!」

 俺の言葉で我に返った唯依中尉は少し慌てながらも椅子に腰を下ろした。…一応巌谷巌谷が親だと言っても自分よりも高い階級の人間がいるのに先に座るのはいい事なのか?俺が座るよう催したのも悪いかもしれないが…その手の問題に疎い俺が言える所ではないか。

「ハハハ!それでは後は若い二人で話し合ってくれ。私は上層部の方に話を持っていくとするよ」

「分かりました。それでは…後の事は宜しくお願いします。良い結果を待っています」

「期待して待っててくれ。それではな。唯依ちゃんも頑張れ」

「おじ様!」

 その言葉を最後に部屋を後にした巌谷中佐。唯依中尉が現れた事によって俺の中の巌谷中佐のイメージが大きく崩れたが、それでも尊敬に値する人間である事は変わらない。

 そして巌谷中佐が部屋を出て行った事によって部屋に広がる静寂。

 このまま黙りこくっていても話は進まないので俺から話を切り出す。

「これで落ち着いて話が出来そうだな。改めて宜しく頼む。唯依中尉」

「はい。此
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