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Muv-Luv Alternative~一人のリンクス~
帝国陸軍
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ザー兵器。
詳しく香月から聞いていないが、量産化できる可能性は十分にあるとの事。レーザー兵器の量産が出来れば突撃級の脅威はなくなるといっても過言ではない。BETA自体の圧倒的物量は覆せないが、それでも突撃級の甲羅を真正面から突き抜けることの出来るレーザーは大きな結果を残す事になるだろう。
「戦術機の機動性が10〜40%上昇!?…こんな馬鹿な事が…。更にフレームや外骨格の変更により10%の軽量化。私達が出来なかった事をこうも簡単に出してくれるか…」
どこか悔しそうな表情を浮かべる巌谷中佐。反面、嬉々とした雰囲気も出している。これは上手くいったか。
「初めから交渉など必要なかったのではないか?これ程の物を用意されたら断れる訳がなかろうに」
「…確かにそうかもしれませんね。ですが、こういった場は必要でしょう?」
「ッ!…ハハハハ!君は面白い人間だな。気に入ったよ」
…?何が面白いのか分からないが、気に入られたのなら問題はない。
「XFJ計画は横浜基地に変更するよう上の人間に言っておこう。これだけのものがあれば時間も掛からず横浜基地へ移動となるだろう」
「有難う御座います」
これで新型機を取得する為の元は確保する事が出来た。後は各国との繋がりを強くしながらも帝国との繋がりも作るだけ。
「それで今君に合わせたい人物がいるんだが」
「…?誰でしょうか」
「XFJ計画の日本側開発主任でもある私の娘だよ。先まで私の隣に居た子だ」
そう言えば巌谷中佐との会談のためこの部屋に入る前、巌谷中佐の後ろに一人女性が控えていたな…。あれが日本側の開発主任者か。見た感じまだ年若いのに主任とは…努力家なのだろう。
「主任ともなれば何れ顔も合わせるでしょう。今の内に互いの顔を知っておくのも悪くありません」
「そうだろう?では唯依ちゃんを呼んでくるから待っててくれ」
…唯依…ちゃん?ん?俺の聞き間違いか?
そう聞こえたと同時に巌谷中佐の態度が急に穏やかななものへと変わるものだから思わず自分の目と耳を疑ってしまう。先程まで威厳を身に纏っていた屈強な男が…突然唯依ちゃんなどと言い始めるのだから驚くのも無理はないだろう?
それに俺の視界に移る巌谷中佐は既に表情が緩みきっており、其処に立っていたのは既にXFJ計画立案者の巌谷中佐ではなく、一人の父親の顔だった。
そんな巌谷中佐をなんとも言えぬ面持ちで眺めながらも、待っている事数分、巌谷中佐の出て行った扉から一人の女性が入ってきた。そしてその後ろで満面の笑みを浮かべている巌谷中佐。最早先ほどまでの威厳が台無しである。
「帝国斯衛軍中尉!篁唯依です!」
「横浜基地特殊任務部隊A0-1所属シルバ・アルザークだ。
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