導入
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きつけた。
「ちょっwニンゲンのクセにこのわたしちゃんに何てことをー!」
漫画のようなでかいタンコブを頭に作った糞女神は目のふちに涙をためるとぶんぶんと両手を振りまわして殴りかかってきた……。
……それからどれくらいの刻が流れたことだろう。
疲れ、傷だらけの俺と糞女神は真っ白な世界で大の字になりながらお互い荒い息をついていた。
「ちょ、ちょっと、あんた、ハァ、変態みたいにハァハァ言わせて、ハァ、変態じゃないの?ハァ、この、変態wハァ」
そんなふうに毒づく糞女神を俺は無視していた。
しばらくしてお互い息が整うと糞女神は
「はい、回復ビームwびびびw」
ふざけてはいるものの効果音つきで傷を治してくれた。
魔法にかかりにくい体質の俺はなかなか傷が治らず、彼女は何度も何度も回復魔法をかけてくれた。
糞女神から駄女神に格上げしてやるか……。
「傷を治してくれたことだけは礼を言う。 ありがと」
だが俺はプイと顔をそむけた。
そうしてしばらく俺たちは黙りこくっていた。
膝を抱え体育座りのような姿勢をとった駄女神は腿の辺りに顔を埋めて目線をこちらに向けると口を開いた。
「ねぇ、戻ったところでなんにもイイコトないかもよ? リストラされたりされなくても上司にパワハラされたり同僚に陥れられたり後輩にこそこそ悪口言われてたりするかもよ? ビョーキになったり事故に遭ったり何もかもうまく行かなくてニートったりホムレするかも知れないんだよ?」
ここに来る前の俺はコイツの言うことに何も言い返せ無いくらい何もかもうまく行かなくて、縮こまって、言うならば【生かされて】いた時間がとても長かった。
それでも気にかけてくれる人が少しだけ居てくれて、頑張ってみようと思って頑張ってみて、やっと結果が出そうになった、そんな時にここに呼ばれたのだった。
「それでも戻りたい」
俺は応えながら膝を抱えて座った。
「はーい、ごーかーくwおめでとうwww」
ぱんぱんぱーん、と、どこからか出したクラッカーを打ち鳴らして騒ぎだす駄女神の姿に俺は目眩がしてきた……。
「いやーーもし今、そうだねプロテインだねって応えてたらゲームオーバーでしたよw碓氷悠稀くんw
キミにはすーぱー強い意思のチカラを感じるのよ、うんうん。」
つかつかと俺のところへ歩いてきた駄女神はガッシと俺の両肩を掴んだ。
すると体の力が抜けていく感覚に襲われる……。
「いい? こうやってわたしちゃんはパワーを吸収するので、それが充分貯まったら元の世界に戻れる魔法をかけてあげるってすんぽーよ!」
「でも、個体差あるとはいえキミたち21世紀の先進国人は魔法
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