第一章 グレンダン編
天剣授受者
天から落ちる剣
[8/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
らは燃えているのではと思うほどの熱を感じた。
身体中に衝撃が奔り、激痛が二人を襲う。だが二人は天剣を持つ力を緩めることはしない。緩めたら負ける、そんな考えが二人の頭に過ぎりさらに力を込めさせる。
しかし二人の実力はほぼ互角、用意に決着はつかない……そう思われた。
だがシキの剄がレイフォンを勝ち始めた。レイフォン驚き力を込めるが、だんだんと押し込まれていく。
いつの間にか、シキの剄力が上がってきたのだ。先程までシキとレイフォンの剄が互角といったが、それは間違いだった。シキの剄はまだ上があった。
レイフォンは歯噛みをした。急激に上がった剄力でもシキに届かないのか。そう思いながら最後まで押し返そうと力を入れる。
シキは勝利を確信し、さらに剄を上げていく。圧倒的な剄力にさすがの天剣授受者は目を丸くしながら驚いていた。
このままいけばシキの勝利は目前……だった。
だが、シキは光に塗りつぶされた視界で見た。
天剣が今まで扱ってきた錬金鋼のように赤熱化していたのだ。つまり、シキの剄に耐え切れなくなっていたのだ。
シキは手を離そうとするが、剄と剄のぶつかり合いのせいで動けなかった。赤みが増し、危険な色合いになる。
まさに爆発する直前、シキの天剣が基礎状態に戻った。しかし、レイフォンの天剣は元に戻ってはいない。そして振り下ろされた刀は止まってはいない。
レイフォンの思考は勝つことだけを考えていた。シキに勝ちたい、自分の方が上だと皆に分からせたい、そんな考えだけが頭にあった。だから刀を止めなかった。
「レイフォン!! 止めろっ!!」
今まで沈黙を保っていたデルクがレイフォンに止めるように叫ぶ。
「逃げて、シキ様!!」
クラリーベルが走り出しレイフォンを止めようとするが、観客席に張られているバリアに阻まれ、行きたくても行けなかった。
「レイフォン、止めてぇええええええええっ!!」
シノーラに抱きかかえられながらリーリンの悲痛な叫びが聞こえる。
リーリンの叫び声を聞いて、レイフォンの思考が元に戻り、何をしようとしているのか理解した。だが振り下ろした刀は止まることはなく、シキの身体を斜めに切り裂いた。
「あぁ、あぁああああああああああっ!!!」
レイフォンが泣き叫ぶ。
身体に振りそそぐ血を見て、自分がしてしまったことの重さを知る。
そのまま、天剣を放り出し崩れ落ちるシキの身体を抱きとめる。シキはピクリとも動かない。
同時に天剣たちの束縛が解け、一斉に闘技場に降り立つ。
「くそ、くそっ!! どけ、クソガキ!!」
バーメリンが、レイフォンからシキを取り上げて抱える。
「シキ、目を閉じちゃダメだよ? ちゃんと僕を見て!!」
リーヴァスが必死にシキを呼びかけるが、その目は焦点が合わない。
「
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ