第一章 グレンダン編
天剣授受者
天から落ちる剣
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を生み、自動的に衝剄へ変換させる。まだ闘技場が原型を保ってられるのは、闘技場の強度もそうだが天剣たちが流れ弾や剄を相殺している点が大きい。
しかし観客たちはそれに気づかない。シキとレイフォンの戦いに心を奪われているのもそうだが、無意識に恐れていたからだ。気づいてしまったら、それはもうゲレンダンの終焉に違いない。
手を離し、シキは足に剄を溜めて解き放つ。
外力系衝剄の変化、轟蓮脚。
轟剣のように剄を収束させる。そのため、足が何倍にも膨れ上がったようにレイフォンは錯覚した。
そのまま避けることもできたがレイフォンは迎撃を選んだ。
剄を溜め、解き放つ。
外力系衝剄の化錬変化、七つ牙。
七匹の巨大な大蛇がレイフォンから放たれ、シキの轟蓮脚を食いちぎる。シキは舌打ちをしながら少し距離を取る。レイフォンも距離を取る。
二人が降り立った場所にはお互いの刀が突き刺さていた。
深く刺さっている刀を引き抜きながら、二人は十五メルほどの距離を瞬きしない間に近づく。そして居合の構えから一気に手から刀を引き抜く。
サイハーデン刀争術、焔切り。
全く同じ軌道を真反対に繰り出した二人の焔切りはこれまでと同じほぼ同時にぶつかった。
衝剄と衝剄が激しくぶつかり、足元の地面が崩れ両者を後ろへと下げた。
衝剄の威力は互角、もしもシキの全力の剄力を受け止める刀があればこの場で勝敗は決していただろう。だが、今の武器ではこれ以上注ぎ込むと爆発してしまう。
武器のせいではない、ここで上手く工夫すればシキが勝てていたのだ。武器のせいにするなど未熟者がすることだ。
衝剄と刀の力比べが続く、ここで体勢を崩し衝剄を止めればニの太刀、つまりは焔重ねがシキかレイフォンどちらかの身体を引き裂くことになる。
両者は譲ることがなく、その刀身に剄を流し込む。先に根を上げたほうが負けであるが、根を上げ始めたのは使用者ではなく、武器だった。
錬金鋼の強度はシキとレイフォンの剄を受け止めきれなかった。赤だった刀身がさらに変色し溶け始めたのだ。
観客たちは唖然とする。錬金鋼が溶けるなど聞いたことがなかったからだ。
だがシキとレイフォンは刀から手を離さなかった。
さらに剄を注ぎ込み、溶ける速度が上げていく。ドンドンなくなっていく刀身を見て、シキとレイフォンはほぼ同時に手を離し、戦声で相手にぶつけようとした。
同じ行動したせいだろう、お互いの錬金鋼がぶつかり連鎖的に爆発を起こす。
その威力は離れていたはずの二人が爆風で吹き飛ばされるほどである。受身を撮り、二人は荒く息を吐いた。
「くそったれが」
「まだ、まだ!」
二人はすぐに立ち上がり、戦闘する意思を見せる。
だがお互いの錬金鋼がない状態だ。素手ではいつ決着がつくかわからない。それ
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