第一章 グレンダン編
天剣授受者
天から落ちる剣
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轟音、直後に複数に及ぶ刀の斬り合い。
鍔迫り合いなど発生せずに二人は斬り抜ける。
だが、二人とも斬り抜けたのはいいが止まらることができなかった。そこで二人がとった行動は、闘技場の壁にぶつかって強引に身体を止めるという強引な方法。
普通の武芸者では傷一つ付かないはずの闘技場の壁に罅が入る。
観客たちからは悲鳴などが聞こえるがシキとレイフォンは気にせずに戦い続ける。
光と光がぶつかる。そうと表現できなかった、一般人にはそれしか見えていない。音だけが響き渡り、肝心の二人の姿が見えない。
時々、衝剄が流れ弾として観客席に飛んでくるが、全て天剣が相殺している。その事実に安心しつつ、観客たちは二人の戦いを見惚れる。
閃断を放ちつつ、シキは別途で剄を練り続ける。
剄脈からは感じたことがないほどの熱さを感じ、まるで身体が燃え盛っているのではないかと錯覚してしまう。
レイフォンがサイハーデンを継ぐ。それはいい事だ、レイフォン以上の適任がいるのならばシキは聞いてみたかった。シキが継ぐことも不可能ではないが、色々な武門を学んできたシキのサイハーデンはもはやサイハーデンはない、もはや亜種と呼べる武門なっている。
デルクがシキに継がせるという選択肢をなくしたのはこういう理由もある。
だけれども、ハイそうですかと聞き入れるほどシキは大人ではない。あれほど刀を使うことを拒んでいたレイフォンが使う、良いことだ。だがこちらは剣を使っていない。
理不尽? 身勝手? あぁ、そうだとも、そんな感情を乗せながらシキは刀を振るった。シキの感情を反映して剄の色が赤い。
今、シキが怒っているのも身勝手な理由だ。大好きな養父に選ばれなかったという理由で、兄弟のような存在を殺すほど憎んでいる。自分のせいだと理性的な部分が囁くが、それに従うなんてことは出来ない。
レイフォンも同じだ、今まで溜め込んできた恨みを全て吐き出すつもりで刀を振るう。
剄のせいで光り輝く錬金鋼がぶつかり合う度、強風を生み出していた。
シキは衝剄を放ちつつ牽制を入れ、本命の剄技を使う。
サイハーデン刀争術、水鏡渡り。
加速したシキはレイフォンを捉える。直線ならば旋剄を超える超高速移動。さすがのレイフォンも目を見開きながら加速したシキに驚く。本気のシキはここまで早くなるのか。
シキは躊躇なく横一閃に刀を振る。その速さは光に届くのではないかと思うほど速かった。
だがギリギリのところで、レイフォンが身体を後ろに倒し避ける。切れたのは胸の皮膚の表面だけだ、活剄を流せば数秒で治る程度の怪我。
しかし、レイフォンに隙が出来ないわけではない。体勢が崩れたせいでワンテンポ動きが遅くなる。その隙を見てシキは刀から化錬剄の糸を放ち、レイフォンの身体にくっつける。
外力系衝剄
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