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くらいくらい電子の森に・・・
第十一章
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と歪み、ほうほうの体でハルが顔を出した。

『…マスター。セキュリティの強化を提案します』
「無駄だ。どうせすぐ破られる。しばらく堪えてくれ。…で、用件は」
『かぼすが、例のMOGMOGを操るパソコンの位置を突き止めました』
『てへー。突き止めたの』
「…そうか、でかしたぞかぼすちゃん!」
「うっそ、かぼす優秀!?」
「やったね、かぼすちゃん!!」
しばらく3人で『かぼすを讃える舞い』を舞ったあと、紺野さんが徐に聞いた。
「…で、そいつは今どこに?」
ハルは短い演算のあと、こう、言い放った。

『ここと大体同じ座標に、そのパソコンはあります』

3人とも、かぼすを讃えたまま凍りついた。
「こ…ここだと!?」
「…ねぇ、その患者って、ここの病院に入院してたの?」
一応聞いてみると、紺野さんはぷるぷると首を振った。
「…いや。それにIPアドレス追跡では、つい最近までは確かに都内にいたはずだ」
「ノーパソなんだから移動してるんだろうけど」
「…なんか気持ち悪いな。何が目的なんだろう」
「目的がどうっていうよりさぁ」
柚木も話しに入ってきた。
「場所を突き止めよう。目的は本人を締め上げて吐かせればいいわ」
僕と紺野さんは、思わず身を竦めて息を呑んだ。…この娘、怖い。発想が戦国武将だよ…
「それはもっともだけど、この状況で病棟内をウロウロするわけにも」
「いや!この中に1人だけいるのだよ、この病棟内を自由に移動出来る人間が!」
紺野さんが、丸めた毛布の中をごそごそまさぐりながらニヤリと不気味な微笑を浮かべた。
「さっき、リネン室で毛布と一緒にがめといて良かったぜ…姶良、お前は次の瞬間、俺に感謝することになるだろう」
彼が毛布の中から得意げに引っ張り出したのは、丈が短い桃色のナース服だった。…そ、そうか、その手があったか…一石二鳥のその方法が!!(性的な意味で)
「合い分かった!これで柚木がナースのコス…もとい変装をすれば、誰にも疑われることなく病棟内を歩き回れるって寸法だね。紺野さん、あんたっ、天才だよっ…」
嗚咽をこらえながら紺野さんの手を握る。彼は、力強く握り返してきた。
「あっはっはっは、そうだ俺を讃えろ姶良!ちょっとサイズがピチピチなのは俺の趣…いや、咄嗟だったから間違えただけだ!」
「なんのグッジョブ!間違いは誰にでもあるよ、仕方ないね。…柚木なら、分かってくれるよね」
僕らは一斉に、柚木に熱い視線を注いだ。
「さあ、柚木ちゃん…」
「さ、柚木…出番だよ」

次の瞬間、僕たちは血を吐きながら打ち放しのコンクリートに叩きつけられた。

「バカッ!…あんたたち、コスプレに目が眩んで大事なことが抜け落ちてるのよ!!」
「だ…大事なことって?」

「私を見ず知らずの建物の中に解き
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