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ソードアート・オンライン 幻想の果て
エピローグ
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を慮ってのことではなく、借りをつくらせることで自分を縛ろうとしているのだと。

「……お前らのような若い人間が儂ら老いぼれより先に死ぬなどな、本来あってはならん。こんな世界だ、命を賭けて臨まなければならん時もあるかもしれんが……自分の身を粗末にだけはするな、生きて帰れ。それを皆望んでいる」

「ミドウさん……」

深い哀しみの色を湛えた瞳でそう言うと、ミドウは顎をしゃくり鍛冶屋の表に繋がる扉を示すと、それにタイミングを合わせかのように勢い良く扉が開く。

「シュウ――このバカっ!」

「シュウ君!」

そうして飛び込んできたのは馴染み深い職人クラスの少女、リコとマリだった。二人はシュウの姿を認めるとじわりと瞳に涙を滲ませて彼の名を叫びながらとびついていく。
身を投げるような勢いのそれに驚きながらもシュウは二人を受け止める。二人の少女はしがみつくようにシュウに縋ると、感極まったように顔をくしゃりと泣き顔に歪ませる。
困惑するシュウに、少女たちから一歩遅れて工房に入ってきた少年が声をかけた。

「おかえり、シュウ」

「トール……すまない、心配をかけたみたいだな」

穏やかな笑みを浮かべて出迎えの言葉を口にしたトールにシュウが答えると、マリが伏せていた顔をがばりと起こし叫ぶように言葉を浴びせかけた。

「そうよ!本当に心配したんだからね!……追跡機能は切ってるし、トールは全部話してくれないし……リコなんか毎日生命の碑まであんたの無事を確認に行ってたんだからね」

「ぐすっ……もう、マリちゃんも一緒だったじゃない」

「ちょっ!?リコ、それは言わないでって言ったじゃない。大体あたしはリコを一人で行かせるのが不安だっただけなんだから……」

リコの指摘に慌てた様子で口篭る少女の様子にシュウが思わず口元をほころばせると、マリはぷくりと頬を膨らませてそっぽを向いてしまった。
カーソルがオレンジの間、不用意に彼女たちと接触すればいらぬ風評被害を及ぼしてしまうのではないかと考えたシュウは少しの間会えない旨をメッセージで知らせると、この三日間知り合いと接触を絶っていた。
アルバがMPK行為に及んだ事の真相をシュウは自分の胸のうちにしまっておくつもりでおり、詳しく事情を明かさないままでいたため当事者であるトールや関わったヨルコら以外の人間には失踪の理由も分からなかっただろう。

「怖かったよ……」

「え?」

「傍に居る人が急に居なくなるのって、本当に怖いんだよ……だから、シュウ君が帰ってきてくれて、本当に良かった」

生命の碑を確認していたということはアルバの死を二人は既に知っているのだろう、しかし少女たちは何があったのかを薄々感じ取っているのか、そのことを問いたださずに、なによりもシュウの無事を喜
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