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『蒼海の世紀』短編
短編
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』を再生させて陛下に聴かせる。

『〜♪〜♪〜♪』

「オオォォォッ!!」

 陛下はパソコンから流れる『抜刀隊』に驚いている。まぁそりゃあそうだ。

「……今の日本では到底作れまいな。恐らくアメリカやドイツでも……」

「他にも見せましょう。じゃあこのPSPのソフトをします」

 俺はPSPを起動させる。

 ちなみにソフトは某野球ゲームだが気にしない。

「……まるで神隠しにでもあった気分だ。これだけで、君が未来から来た日本人だと証明出来る」

 陛下はそう言った。

「それで……未来での日本は平和かね?」

「平和と言えば平和なのかもしれません」

 俺は平成の日本の話をした。




「……そうか、日本は……そのような事になっているのか……」

 俺が全て話終えると、陛下は静かに泣いていた。

「陛下……」

「いや済まない。思わず泣いてしまった……」

 陛下は涙を拭く。

「……楠木君、君の話はとても興味がある。しかし、海援隊やハワイ王国の話が無いが何故かね?」

「……海援隊ですか? 海援隊は暗殺された坂本龍馬が設立したものですがそれは幕末で消えたのでは?」

「何ッ!? 坂本龍馬が暗殺されただとッ!!」

 かなり驚いているな陛下……てか何で?

「……ありがとう楠木君。疑問に思っていた事が全て結び付いた」

「どういう事ですか?」

「坂本龍馬は暗殺されていない。坂本龍馬はハワイ王国を独立させてハワイにいる」

 ……へ? あの坂本龍馬が生きている?

「ど、どういう事ですか? 坂本龍馬は近江屋で暗殺されたのではないですか?」

「確かに坂本龍馬は近江屋で暗殺されかけた。坂本は一命をとりとめて日本を出てハワイを独立させた。そして西郷隆盛をも救って反乱を回避させた」

「なッ!?」

 嘘? マジで坂本龍馬が生きている? そんで西郷隆盛も?

 ……待てよ。そういやそんな漫画が同人にあったような……あ。

「……『蒼海の世紀』や……」

 そうやそうや。『蒼海の世紀』やと坂本龍馬は暗殺未遂、そして西南戦争は回避されている。

 ……て事俺は、過去の明治にタイムスリップやなくて『蒼海の世紀』の明治にタイムスリップしたと?

 タイムスリップするような出来事あったか? 日本橋からの帰りの電車で寝てはいたけどさ。

 でも陛下の話やとマジみたいやし……。

「陛下、確かに自分の日本が歩んだ歴史とこの日本の歴史は少々異なっています。自分達の歴史では坂本龍馬は暗殺され、西郷隆盛は西南戦争で破れて切腹しています」

「……異なる日本というわけか?」

「そうです。壮大な話になりますが、世界は無数にあ
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