悪魔の島編
EP.13 悪魔の島へ
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ワタルの鎖に拘束され、身動きが取れなかった。
「ヘッ、捕まってやんの」
「ラクサス、俺が言えた義理じゃないが……お前も煽るな」
「ああ、はいはい……だが、これだけは言っておくぞ。妖精の尻尾最強はこの俺だ! この座は誰にも渡さねえよ……エルザにも、ミストガンにも、あのオヤジにも……それからお前にもだ、ワタル!」
そう言うと、ラクサスはギルドの奥に姿を消した。
ワタルは溜息を吐くと、鎖鎌を消してナツを解放し、依頼板に向かった。
「イテテ……何すんだよ、ワタル!!」
「お前はまだ二階には上がれないだろうが……っと、これにするか。マスター、これ行きます」
「ウム……これならすぐ終わるじゃろ……エルザと行くのじゃろ?」
マカロフの確認を肯定すると、ワタルはエルザに声を掛けた。
「はい……よし。エルザ、行くぞ」
「ああ、先に駅に行っててくれ」
「……いつも思うが、お前荷物多すぎじゃないのか?」
「なっ!? いや、あれはだな――――」
ワタルとエルザが、いつものように明るく言い合いながらギルドを出ると、ギルドの雰囲気も尖ったものから、次第にいつものものへと戻って行った。
「あー、吃驚した……ねぇ、ミラさん、ワタルが言ってた『二階に上がっちゃいけない』って、どういう事ですか?」
「うーん、まだルーシィには早い話なんだけどね――――」
そう前置きをすると、ミラジェーンはルーシィに妖精の尻尾の仕事の仕組みについて説明した。
二階にはS級と呼ばれるような、一階と比べて難易度の高い依頼がある事、そのS級の仕事は、マスターであるマカロフに認められた魔導士にしか受注できない事、そのS級の仕事を受けられる魔導士は五人しかいない事などなど……。
「まあ、普通に仕事をやる分にはS級なんて目指すものじゃないわね。本当に危険なのばかりだから……」
「みたいですね……」
ルーシィは何故か陰りを持つミラジェーンに同意したのだが……その夜、ナツやハッピーに誘われ、報酬が世界に12個しかない黄道十二門の鍵――星霊魔導士であるルーシィには唾涎ものである事――に惹かれて……S級の仕事にギルドに無断で行ってしまうのだった。
翌朝……
「マスター! 大変です、二階の依頼書が一枚紛失しています!!」
「ブフウウゥゥ!!」
ミラジェーンの報せに、マカロフは口にしていた飲み物を盛大に吹き出し、ギルド中が騒然となった。
「ああ、それなら昨日羽の生えた猫がちぎって行ったぞ」
ラクサスの言葉に、ギルドはさらに騒がしくなった。
「羽の生えた猫、って……ハッピー!?」「つー事はナツとルーシィも一緒か!?」「何考えてんだ……S級に勝手に行く
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