悪魔の島編
EP.13 悪魔の島へ
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両手を上げて降参した。
「……ああ、私の負けだな。一体どうやって……ッ! 変わり身か……」
「ご名答」
ワタルは、エルザが金剛の盾の向こうに隠れている時に、変わり身を起動させ、わざと音を立てさせたのだ。
エルザが見た時、何もいなかったのは……あまりの威力に変わり身が消し飛んでしまったからであった。
この変わり身はワタルの魔力のみをコピーしたもののため、実体は無い。視覚と魔力感知しか騙せないので、殆ど一瞬しか気を逸らせないのだが……ワタルにはそれで十分だ。
勝負を仕掛けてくる事は殆ど予測できていたため、その影に乗じて奇襲を仕掛けて一気に決める……ワタルの常套手段だった。
「読みが甘かった、という事か……まだまだだな、私も」
「……ま、いい線は行ってたが……精進する事だな」
「わ、分かってるから叩くな、恥ずかしいだろうが……!」
ギルドのテーブルに着いて、笑いながらポンポンと軽くエルザの頭を叩いたワタルだが、その内心では、彼女の成長ぶりに舌を巻いていた。
――あの迎撃といい、最後の一撃といい……ホントに本気で相手する日は近いかもな……。
そんなワタルの内心をよそに、同じテーブルに着いたグレイも口を開いた。
「にしても、エルザもワタルも……正直何してるのかよく分からなかったぜ」
「ハッ、グレイも大した事ねぇな……俺は半分は分かったぜ?」
「なんだとクソ炎!? ケンカ売ってるなら言い値で買ってやるぞ、この野郎!!」
「おお、やんのか変態パンツ!!」
「また始まったよ。ナツってば懲りないなあ……」
「ああ、漢だ!!」
「お、漢って……。それにしても、ワタルの感知ってホントに凄いのね……」
ルーシィの言葉に、ワタルは苦笑して言った。当然後ろの方(エルザの死角)でいつものように喧嘩しているナツとグレイは無視して、である。
「ま、不便な時もあるけどな……」
「え、どんな? 魔力に対して敏感だって聞いたけど……」
「そうだな……」
ルーシィと話し出したワタルに対し、エルザが遮るようにして話し掛けた。
「弱点なんて進んで話すものじゃないだろう、ワタル。……そうだ、試合はお前の勝ちだが……どうするんだ?」
「? ……ああ、お前が勝ったらケーキバイキング、ってやつか。うーん……ぶっちゃけ、決めてねぇしな……」
「な、なら……これから一緒に仕事行かないか? その……ふ、二人で」
少し考えたが、特に思いつかなかったワタルがそう言うと、エルザは少し顔を赤く染めながらワタルを誘った。
「……そうだな……行くか。特にやる事も無いし……俺が選んでいいか?」
「! ああ、頼む!」
ワタルの返事にエルザは
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