悪魔の島編
EP.13 悪魔の島へ
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軽口を叩いていたが、ワタルはエルザの成長ぶりに少し驚くと同時に、少し警戒度を高めた。
対してエルザは鎧の選別を瞬時に終え、換装に入った。
「換装、“飛翔の鎧”!!」
「……スピード勝負か、面白れぇ!」
エルザが換装したのは“飛翔の鎧”自分の速度を上げる鎧だ。対してワタルの得物は身体能力を上げる忍者刀、ワタルは好戦的な笑みを浮かべると、高速戦闘に入った。
「はああっ!!」
「フッ!」
周りの群集には、二人の姿は殆ど見えていなかったが、ワタルとエルザは互いをしっかりと捉えていた。
だが、高速戦闘における経験値はワタルの方が圧倒的に上。
直線的なエルザの軌道や癖を見切り、時にフェイントを交えながら次第に追い詰めていき……
「“魂威”!」
「クッ……!」
遂にワタルの十八番、“魂威”がエルザの右腕を掠らせ、その痛みに、エルザは右の剣を落としてしまった。
たまらずエルザは距離を取り、ワタルはそれを追ったが……
「“金剛の鎧”、換装!!」
「もう一発だ! “魂威”!!」
超防御力を誇る鎧、“金剛の鎧”の巨大な盾に、ワタルの“魂威”は……
「……流石に固いな……」
「いや、ギリギリだ……」
強固な盾に罅が入ったものの、通らなかった。
――やっぱり強いな……ワタル。だが……いや、だからこそ、越える価値がある……!!
エルザは、盾で互いの視界を塞がれている今をチャンスと捉え、手札を切る事にした。
だが……それはワタルも同じだった。
ザ……。
――ここだ!!
盾越しだから正確な事は分からないが、エルザは後ずさりと思われる僅かな音に、勝負を仕掛ける事にした。
「換装……“明星・光粒子の剣”!!」
エルザが換装したのは“明星の鎧”。剣と一対で、光を飛ばして攻撃する鎧だ。
“金剛の鎧”の盾が完全に消えるのも待たずに、エルザは最大出力でそれを撃った。
余りの範囲に、観客が何人か巻き込まれたかもしれないが……エルザにはそれを気にするだけの余裕が無かった。
「ハァ、ハァ……どうだ?」
一度に大量の魔力を使ったせいか、肩で息をしながら、エルザは土煙の中を目を凝らして見てみたが……そこに居るべきワタルの姿は無かった。
「何……!? どこに……ッ!!」
「チェックメイト、だ」
振り返ったエルザが見たのは……エルザの顔の前に、バチバチ、と魔力の弾ける音を鳴らしている掌を翳して勝利宣言をしているワタルの姿だった。
そのまま放出させれば、間違いなくエルザを戦闘不能にさせるだけの魔力を蓄えたワタルの掌に、エルザは素直に
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