第七十四話 ポセイダルの謎
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第七十四話 ポセイダルの謎
ロンド=ベルはポセイダル軍の本拠地に向かっていた。その途中でだった。
「多分来るだろうな」
「そうだよな」
「迎撃にな」
「絶対にな」
口々に言うのであった。
「ポセイダル自身は出ないにしても」
「あの連中がな」
「出て来るよな」
「その通りだな」
こう話しているとであった。不意にだ。
通信が入って来た。そして長い金髪に髭とサングラスの男が出て来たのだった。
「いいだろうか」
「貴方は」
ダバが彼の顔を見て言った。
「アマンダラさんですね」
「久し振りだな、ダバ=マイロード君」
「ええ、どうしてここに」
「君達がペンタゴナに戻ってきたと聞いてだ」
「それで挨拶にですか」
「通信を入れさせてもらった」
そうだというのである。
「友達が増えたようだな」
「ええ、まあ」
応えはするダバだった。
「その通りですけれど」
「しかしどうしたのかな」
ここでアマンダラはこう彼に問い返した。
「今一つ浮かない感じだが」
「僕達の行動は隠密の筈です」
「そう思っていたのか」
「思っていたとは?」
「君達は目立ち過ぎる」
アマンダラが言うのはこのことだった。
「それで隠密というのはな」
「無理があるというんですか」
「そういうことだ」
「だから今僕達に通信をですか」
「それで挨拶をということだ」
「わかりました」
腑に落ちない顔だが頷くダバだった。
「そのことは」
「わかってくれたようで何よりだ」
「それでもです」
ダバはその顔でさらに言ってきた。
「貴方は確かに僕達にエルガイムマークツー等を贈ってくれました」
「別に感謝してくれなくてもいいがな」
「そのことには感謝しています」
それでも言うのがダバだった。律儀である。
「ですが。それ以前とそれ以後でこれといってお付き合いはないですが」
「特に君達がいなくなっていた間はな」
「地球にいました」
このことも言うダバだった。
「それでいませんでした」
「地球にか」
「御存知なのですか、地球のことは」
「一応はな」
そうだというアマンダラだった。
「聞いたことがある」
「そうだったんですか」
「美しい星だそうだな」
「はい」
ダバはアマンダラのその言葉に頷いてみせた。
「その通りです。青くとても」
「是非一度言ってみたいものだな」
こんなことも言うアマンダラだった。
「機会があればな」
「それでなのですが」
また言うダバだった。
「貴方が僕達に挨拶をされる理由は一体」
「何、何でもない」
アマンダラはここではこう返した。
「ただ気が向いただけだ」
「それで、ですか」
「そうだ。それではだ」
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