第七十三話 フル=フラット
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「俺達の戦いを」
「そうさせてもらう」
やはりこう答えるフラットだった。
「君達の健闘を祈る」
「わかりました」
「じゃあ今から行きますので」
「ポセイダルのところに」
「その時にわかる」
フラットは彼等にこうも話したのだった。
「全てがな」
「全てがですか」
「その時にですね」
「そういうことだ」
やはりここでは多くを言わないフラットだった。しかしである。
ロンド=ベルは出撃した。ポセイダルの星に向かってだ。
一応フラットも同行している。だが彼女は。
「あれっ、ヘビーメタルもですか」
「乗られないんですか」
「それも」
「そうだ、私は最早戦うことはない」
だからだというのである。
「それでだ」
「まあそれでいいですけれどね」
「それじゃあ」
「俺達が戦いますし」
「そうでしたら」
「あくまで私はだ」
またこのことを言うフラットだった。
「戦いはもう捨てたのだ」
「そして見るんですか」
「これからのことを」
「そうされますか」
「私のバイオレーションは持っている」
それはだというのだ。
「だが。もう長生きするつもりもない」
「じゃあどうするんですか?」
「そのバイオレーションは」
「捨てるんですか?」
「徐々に使う回数を減らして少しずつ老いていく」
そうするというのである。
「そして穏やかに死んでいくとしよう」
「この戦いの後はですか」
「そうされますか」
「もう」
「そうさせてもらう。全てが終わった後でな」
これがフラットの考えだった。彼女はその心を隠棲に向けていた。
そこに消えようとする中で言うのであった。彼女のこれからをだ。
その彼女を乗せたままポセイダルとの決戦に向かうロンド=ベルだった。また一つ戦いが終わろうとしていたのであった。それは確かだった。
第七十三話 完
2010・11・9
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