第七十二話 潰える野心
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して謝罪を受けたクワサンはだ。こう言うのだった。
「いいわ」
「許してくれるのか」
「私は。今はお兄ちゃんといるから」
だからだというのだ。
「だからいいわ」
「そう言ってくれるのだな」
「過去はもう終わったこと」
いささか虚ろだがそれでも言った言葉だった。
「だから」
「かたじけない」
今度はこう言うリョクレイだった。
「それではだ」
「それでこれからどうするんだ?」
キャオがそのリョクレイに問うた。
「これからは」
「故郷に戻る」
これがリョクレイの返答だった。そしてだった。
彼もまた姿を消した。十三人衆は解体状態になった。
しかしだ。最後の一人が出て来て言うのであった。
「では私はだ」
「あれっ、確かこの人って」
「マフ=マクトミン?」
「その人よね」
「故郷には帰らないのかな」
「どうなのかな」
「帰るつもりはない」
実際にそうだと答えるマクトミンだった。
「これからはだ」
「どうするんですか?」
「それで」
「君達と戦わせてもらいたい」
こう申し出てきたのだ。
「是非な」
「えっ、一緒にって」
「つまりロンド=ベルに入るんですか」
「つまりは」
「そういうことですよね」
「その通りだ」
微笑んで言うマクトミンだった。
「それでいいか」
「どうする?」
「ううん、敵であってもどんどん入って来るのが私達だけれど」
「それじゃあそうしてもらう?」
「やっぱり」
「そうだな」
ここでは大文字が決断を下した。
「いいだろう。ダブルスパイというのも考えられないしな」
「ポセイダルを裏切ってギワザにですしね」
「それに裏切った理由は」
「何だったのかしら」
「知れたことだ。そちらの方が戦えるからだ」
それだからだと言うのだった。
「十三人衆は劣勢だからな」
「凄い理由だよな」
「全く」
「凄い話だな」
「そこまで戦いが好きなんだ」
「戦いは私の生きがいだ」
実際にそうだとだ。本人も言う。
「だからこそだ」
「生きがいねえ」
「そうだったんだ」
「それがこの人の」
「それだったんだ」
皆それを聞いて言うのだった。
「けれど何かね」
「また変わった人が来たっていうか」
「ううん、どんどん色々な人が集まるけれど」
「どうなるのかな、これから」
「わからなくなってきたけれど」
「まあ悪くなることはないな」
凱が言った。
「それはな」
「ないのですか」
「それは」
「そうだ、ない」
炎竜と氷竜にも断言する。
「個性的な顔触れが集まってもな」
「その通りですね」
アズラエルも出て来た。
「個性のある顔触れが揃うのは悪いことではありません」
「しかしアズラエルさんは」
「それでも
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