第七十一話 内紛
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ないな」
「そうだな」
「その通りだね」
リィリィも二人のその言葉に頷く。
「ここは動いたら駄目だね」
「よし、それではだ」
「待つとしよう」
「チャイ=チャー」
マクトミンも再びチャイに告げる。
「ここは動くべきではないな」
「またそう言うのか」
「死にたければ行くといい」
これが彼への言葉だった。
「好きなだけな。骨は拾おう」
「くっ・・・・・・」
「さて、どうする」
また彼に問う。
「ここは」
「・・・・・・わかった」
ここでもだった。彼は頷くしかなかった。
「それではだ」
「今は重要な時かというとだ」
マクトミンは戦術自体は冷静であった。
「そうではない」
「そうだな。今はな」
「まだ後がある」
「そういうことだ。今はそれ程焦ることはない」
こう言ってだった。積極的な攻撃を止めたのだった。
そのうえで次第に損害が増えていくのを見てだ。今度はワザンが言った。
「この辺りが限度か」
「そうだね」
リィリィが応えた。
「ここはそうするべきだね」
「後詰はわしが引き受ける」
そのワザンが申し出る。
「それでいいか」
「いやいや、ここは私が引き受けよう」
しかしだった。マクトミンが申し出るのだった。
「ここはだ」
「そうするのか」
「そうだ。戦えるということは有り難いことだ」
彼はそれを望んでいた。出世よりもだ。
「だからだ。それでいいか」
「どうしてもというのか」
「少なくとも貴殿に何かあっては困る」
ワザンに対しては思いやりを見せていた。
「御子息のことがあるからな」
「だからか」
「だからだ。ここは任せてもらおう」
「わかった。それではだ」
こうしてだった。マクトミンが後詰を引き受けたのだった。
ポセイダル軍は徐々に撤退していく。そうしてであった。
彼等は戦場から離脱した。後には誰も残ってはいなかった。
ネイは生きていた。無事生き残っていたのだ。
その彼女にだ。ダバが声をかけた。
「ネイ」
「助けられたみたいだね」
ネイはそのダバに対して言った。
「どうやらね」
「そうです、我々はです」
「彼等に助けられました」
アントンとヘッケラーも言う。
「恩ができましたが」
「どうされますか」
「あたしは恩は忘れないさ」
ネイも誇りがある。だからこそこう言うのだった。
「それにね。やっぱりね」
「ギワザですね」
「あの男に対して」
「そうさ、やってやるよ」
これがネイの今の言葉だった。
「あいつはあたしのこの手でな」
「そうしてですか」
「だからですか」
「そうさ、そうしてやるよ」
「復讐か」
ダバがネイの話をここまで聞いて呟いた。そうしてだった。
彼はあらためて
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