第七十一話 内紛
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「殺せ!見つけ次第殺せ!」
傷が彼の怒りを増幅させていた。
「いいな、すぐにだ!」
「わかりました」
「それでは」
「御前達も行くのだ」
十三人衆にも命じた。
「そして殺せ。いいな」
「はい、わかりました」
「それでは」
こうしてだった。彼等はネイ達を追う。その中にはマクトミンもいる。
彼だけはいぶかしむ顔だった。だがそれでも追っ手に加わるのだった。
ネイ達は何とか格納庫まで来た。そしてだった。
「行くぞ」
「うむ」
アントンとヘッケラーが頷き合う。彼等はまずオージェの中にネイを入れた。
そして自動操縦にしてからだ。二人もそれぞれの機体に乗り込む。
それから入り口をパワーランチャーで吹き飛ばしてだ。外に出たのであった。
「まさかこうなるとはな」
「無惨な話だ」
こう言いながらも逃げていく。彼等はまずは生き長らえた。
その頃ロンド=ベルはギワザの本拠地に向かっていた。その中でだ。
「あれっ」
「どうしたの?」
タリアがメイリンに問うた。
「何か見つけたの?」
「前方から何か来ます」
メイリンはこう報告するのだった。
「三機です」
「三機だけなの」
「はい、三機だけです」
それだけだというのだ。
「それだけです」
「敵かしら」
「偵察部隊ですかね」
アーサーがここで言う。
「それですかね」
「偵察部隊ね」
「その可能性もありますけれど」
「そうね。けれど多分違うわ」
タリアは首を少し傾げさせながら述べた。
「あれはね」
「違いますか」
「偵察部隊にしては」
タリアはモニターに映るその三機の駒を見ながら述べる。
「一直線よね」
「そういえば」
「突撃して来るみたいにね」
「突撃って」
「そうでしょ?凄く速いでしょ」
「はい、確かに」
「どう見ても偵察のそれじゃないわ」
こう言うタリアだった。
「あれはね」
「じゃあ何でしょうか」
「多分」
「多分?」
「逃げてるわね」
目を鋭くさせての言葉だった。
「あれはね」
「逃げてるんですか」
「そう思うわ」
「じゃあ脱走兵ですか?」
メイリンが言った。
「あの三機は」
「そうみたいね。それでメイリン」
「はい」
「どのマシンかわかるかしら」
こうメイリンに言うのだった。
「そろそろ」
「はい、ちょっと待って下さい」
まずはこう返すメイリンだった。
「今調べます」
「ええ、御願いね」
「ただの兵士ですかね」
アーサーは首を捻りながら言った。
「それで戦局がまずいからとか」
「ううん、それで私達に投降かしら」
「そうじゃないですかね」
「そうね。多分そうね」
タリアも今はその考えになった。
「即断はできないけれどね」
「
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