第七十話 猜疑心
[15/15]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
ね」
「いいのね」
「それで」
皆それに納得しかける。しかしだった。
ダバはだ。難しい顔になっていた。そのうえで言うのだった。
「ううん、どうもそういうのは」
「いい話じゃない」
「敵同士が争うって」
「この場合はね」
「いい流れじゃない」
「いや、それはどうも」
そうではないとだ。ダバは言うのだった。
「ネイがそれによって疑われて死ぬのなら」
「それか」
「そのことなのね」
「ああ、どうもな」
彼が気にかけているのはこのことだった。
「それがどうしても」
「ううん、けれどそれもよ」
キャオがまたダバに言う。
「仕方ねえだろ。ギワザの奴がそういう奴なんだからな」
「けれど」
「気にするなって」
こう言ってダバをフォローする彼だった。
「気にしても仕方ねえぞ」
「そういうものかな」
「そうさ。まあとにかくな」
「ああ」
「行こうぜ」
ここではダバを引っ張った。
「次の戦いにな」
「わかったよ、キャオ」
ここでは彼の言葉に頷くダバだった。そのうえで戦いに向かうのだった。
そしてだった。レイの予想は当たった。基地に戻ったネイはだ。すぐに取り囲まれたのだった。
「!?何だこれは」
「一体」
まずはヘッケラーとアントンが声をあげる。
「どういうことだ」
「何のつもりだ」
「残念なのだが」
マクトミンが三人に対して言う。彼が銃を向けている兵士達を率いているのだ。
「君達に少し聞きたいことができたのだよ」
「聞きたいこと!?」
「何だそれは」
「とぼけるつもりか」
ここでだ。ギワザが出て来た。後ろには他の十三人衆が連なって控えている。
「御前達は寝返ったな」
「寝返った!?」
「ギワザ様、どうしてその様なことを」
「まだ言うか」
ギワザの言葉は冷たかった。
「貴様等はロンド=ベルに包囲されたな」
「それはそうですが」
「しかしです」
「何故あそこで捕虜にされなかった」
ギワザが言うのはこのことだった。
「それは内通していたからだな」
「馬鹿な、そんな」
ネイが声をあげた。
「ギワザ様、我々は」
「言い訳無用!」
ギワザはネイに対しても告げた。
「騙されはせぬ。今よりだ」
「今より」
「まさか」
「貴様等三人を処刑する」
こう彼等に告げたギワザだった。
「敵に内通した罪だ、覚悟しろ」
「馬鹿な、これは」
ネイもこの展開には呆然となった。だが銃口は明らかに彼女に向けられていた。絶体絶命の危機に陥っていることは間違いなかった。
第七十話 完
2010・10・29
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ