第六十九話 真の名前
[1/16]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
第六十九話 真の名前
「そうか、今はか」
「はい」
「奴等はペンタゴナにいます」
キャリコとスペクトラがハザルに報告していた。
「そしてそのうえで」
「ポセイダル軍と戦闘中です」
「そうか、わかった」
ハザルはそれを聞いてまずは納得したのだった。
「それではだ」
「どうされますか、今は」
「ペンタゴナに向いますか」
「いや、それはまだだ」
ハザルはこう二人に答えたのだった。
「まだ動きはしない」
「では傍観ですか」
「今は」
「そうだ、傍観だ」
まさにそうだというのである。
「ペンタゴナには介入しない」
「左様ですか」
「今はなのですね」
「ポセイダルについても気になるところがある」
ハザルはここでいぶかしむ顔になって述べた。
「少しな」
「気になることがですか」
「あるのですか」
「ポセイダルは女だな」
言うのはここからだった。
「そうだな」
「はい」
「その通りですが」
「女なのか」
彼はいぶかしむ顔のままこう述べた。
「本当にだ」
「といいますと」
「ポセイダルに何かあるのですか」
「あの統治は男のものではないのか?」
ハザルが指摘するのはこのことだった。
「どうもそう思うのだが」
「男のものですか」
「そう思われますか」
「そうだ、俺にはそう思える時がある」
奇しくも彼もそう見ているのだった。
「どうなのだ、それは」
「ははは、面白い見方だね」
ここで孫が出て来た。
「それはまた」
「貴様、また急に出て来たな」
「僕は神出鬼没が取り柄でね」
飄々とした感じで言う彼だった。
「それでここでもね」
「出て来たというのか」
「そういうことだよ。それでね」
「それで。何だ」
「とにかくペンタゴナには介入しないんだね」
「好きなようにやらせる」
ここでもこう言うハザルだった。そしてだ。
そのうえでこう言うのだった。
「それでだが」
「はい」
「では」
「問題はそれからだ」
こう述べるのだった。
「奴等とポセイダル軍の戦いが終わってからだ」
「それからどうされますか」
「一体」
「まずポセイダル軍が勝てば」
彼はその場合から話す。
「奴等はおそらく鍵を手に入れる」
「鍵を」
「あの少女を」
「そして逃げているあの我儘な姫もだ」
この言葉も出すのだった。
「そこにだ」
「一気に攻めて」
「そしてですか」
「元々怪しい動きの多い奴等だ」
ハザルはポセイダルについてこうも言うのだった。
「謀反の意志ありと言って攻め滅ぼす」
「では今は」
「用意をですね」
「そうだ、そうする」
この場合におけるハザルの考えだった。
「その場合はだ」
「成程
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ