第六十九話 真の名前
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「そういうことだ。黙っていてもらう」
ここでも傲慢なままのハザルだった。
「例え貴様でもだ」
「ではいい。好きなようにするのだ」
「ふん、ではエイスよ」
「・・・・・・・・・」
エイスは喋らない。ただハザルの後ろに控えているだけである。だがそれでも確かにその場にいてだ。ハザルに応えるのだった。
「貴様は奴等を見張っておけ」
「・・・・・・・・・」
「ポセイダルもロンド=ベルも両方だ」
こう言い加えもした。
「わかったな」
「・・・・・・・・・」
「さて、後は高みの見物だ」
これ以上にないまでに高みに立っての言葉だった。
「どちらが潰れるかだな」
「そうだね。ここは」
孫は彼とは全く違い楽しげな笑みで言うのであった。
「多分」
「多分。何だ」
「いやいや、何でもないよ」
孫は飄々とした笑みで彼に返した。
「それじゃあね」
「ふん、ここでもか」
「では僕もまた」
孫は一人その場から姿を消す。そしてだった。
「休ませてもらおうかな」
「戦力の調達及び募兵はお任せ下さい」
「そちらは」
キャリコとスペクトラの言葉である。
「次の作戦行動までには」
「必ずや」
「しておけ。そしてだ」
ハザルの言葉は強い。
「若し失敗すればだ」
「は、はい」
「その時は」
「覚悟しておけ」
二人を見下ろしてだ。ハザルは言う。
「俺は失敗に関して寛容ではないことはわかっているな」
「無論です」
「それは」
二人もだ。ハザルの今の言葉には明らかな怯えを見せていた。実際にだ。ハザルは失敗した部下を容赦なく打つことでも知られているのだ。
その彼が動くように言うのだった。しかしだった。
孫はその彼を何処か冷ややかに、笑って見ているのだった。
ロンド=ベルの動きは素早かった。基地の前まで迫っていた。
そしてである。ダバはこう言うのだった。
「いよいよだな」
「そうね」
リリスはダバのその言葉に頷いた。
「これでこのヤーマンもね」
「いや、リリス」
ダバの言葉はここで強いものになった。
「ヤーマンじゃないだろ」
「ヤーマンじゃない?あっ」
「そうだ、コムなんだ」
そこだというのだ。
「コムなんだ、この星は」
「そうだったね。ここってコムだったね」
「この星はコムなんだ」
また言うダバだった。
「そうなんだ」
「そしてだな」
キャオもここでダバに言ってきた。
「ダバ、御前もな」
「俺も」
「ダバ=マイロードじゃなくてな」
こうダバに話すのだった。
「そうだよな」
「いや、キャオそれは」
「まあいいじゃねえか。クワサンも戻ってきたしな」
彼女の名前も出しての言葉だった。
「そうだよな」
「クワサンも」
「ああ。
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