第六十七話 リトル=セイ
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飲んでたけれど」
また話すアキトだった。
「モーツァルトってね。人格はね」
「滅茶苦茶だったわね」
リンダが話した。
「破綻してると言っていい位に」
「何っ、ではモーツァルトの飲み方は」
「普通しねえっての」
トッドが言った。
「あんた軍の将校がそんな飲み方したらまずいだろ」
「ううむ、そうだったのか」
「だから駄目だって言ってるじゃない」
エリスがギャブレーを注意した。
「そうした飲み方は」
「ううむ、駄目なのか」
ギャブレーは腕を組んで考えながら述べた。
「私のこれは下品だったのか」
「残念ですがそうですね」
これはジョルジュの言葉だ。
「ムッシュギャブレー、ここはエレガントにです」
「あんたが言うと説得力あるな」
「そうだよな」
イサムとフィリオが彼に話す。
「その面持ちでだとな」
「余計にな」
「とにかく最低限の品性は守るようにな」
今度はマシュマーだった。
「私とエチケットを学ぼうか」
「貴殿とか」
「うむ、それはどうだ」
こう彼に言うのだった。
「私と共にだ」
「御願いします」
今言ったのはハッシャだった。
「うちのかしらを最低限の紳士に」
「こら、ハッシャ」
ギャブレーはかつての手下に注意する。
「何を言うのだ、一体」
「ですから言ってるじゃないですか」
「何時言った、それは」
「さっきですよ」
ハッシャは悪びれずに話す。
「言ったじゃないですか」
「それは今さっきという意味か」
「その通りですよ。とにかく普通にコップかグラスで飲みましょうよ」
「わかった」
ギャブレーは憮然としながらも答えた。
「そうだな。そうするか」
「はい、飲んで飲んで」
「それじゃあ」
大ジョッキにワインが注がれていく。それを持たされてだ。
ギャブレーはワインを飲んでいく。飲み方はともかく飲む量はだ。それはいいというロンド=ベルだった。そんな彼等であった。
第六十七話 完
2010・10・17
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