第六十六話 確信になる疑惑
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ンさんは?」
「どいつもこいつも大嫌いよ」
「エイジ君も?」
「勿論よ」
「けれどタケルさんは?」
「あの人は別よ」
彼のことを話すことについては素直だった。
「あと一矢さんもね」
「やっぱり。一途だから?」
「一途過ぎるじゃない」
それが心配とまでいった顔になっての言葉だった。
「あんまりにも」
「一途過ぎるんだ」
「あんなにマーグさんやエリカさんのことを想って」
「確かに。あれは」
「素晴しいですね」
ニコルとマーグも同意だった。
「僕は一矢さんのことは実際に見ていません」
「けれど話には聞いてますね」
「はい、一矢さんの高潔さがわかりました」
こう言うニコルだった。
「本当に」
「だからよ。あそこまで想われてる相手も幸せよ」
「マーグさんにエリカさんだね」
「そうよ。しかもあそこまで素晴しい人達によ」
アスカはあくまで言う。
「そんなに想われて。あれでハッピーエンドに終わらないなんてね」
「その選択肢はないんだね」
「なるべくしてなったのよ」
これがアスカの主張だった。
「ああいうふうにね」
「タケルさん、そして一矢さんだからこそ」
「そういうことよ。それにね」
「うん」
「何ていうかね。ああしたことってね」
「ああしたことって?」
「自分もって思わない?」
アスカの顔が赤くなっていた。
「自分も。ああいうハッピーエンドになれたらって」
「そうですよね。僕もそう思います」
「ニコル、あんたもなの?」
「人として当然だと思いますよ」
そこまでだというのだ。
「やっぱり」
「そうなのね」
「アスカさんも。ですから」
「あたしも?」
「そうした風に想える相手か、想ってくれる相手ができれば」
「あたしは無理よ」
アスカのその顔が苦笑いになった。そうしてだった。
「どうしてかっていうとね」
「どうしてかっていいますと?」
「あの人達みたいに立派じゃないわよ」
だからだというのである。
「それでどうして。あんな風に」
「そう言われるんですか」
「シンだってよ」
ついつい彼のことも言ってしまった。
「ステラに言った言葉だけれど」
「あれだよね」
カトルがそのことに応えた。
「君は死なない、って」
「ええ、あの言葉よ」
「君は俺が護るからって言ったあの時ですね」
「あんな言葉普通は言えないわよ」
アスカはこのことをだ。痛い程わかっていた。だからこそ今言うのだった。
「あそこまでの言葉。咄嗟にね」
「咄嗟に、ですよね本当に」
「シン君だったら」
「そこまでステラを想ってるってことよ」
アスカは何故かここでは顔が曇っていた。
「あんなに一途に純粋にね」
「じゃああの時のシンも」
「絶対にああなるものだ
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