第六十五話 奇妙な動き
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こうシーラに告げるのだった。
「敵です、この反応は」
「ポセイダル軍ですか」
「はい、その数二十万」
それだけだというのだ。
「来ました」
「方角は」
「我が軍から見て三時です」
そこだというのだった。
「そこにです」
「そこにですか」
「どうされますか、ここは」
「そうですね」
それを聞いてだった。シーラはすぐに述べた。
「ここはです」
「迎撃ですか」
「いえ、この気配は」
シーラは独自の気配を察してだ。そうしてであった。
「私達のところには来ません」
「そうなのですか?」
「躊躇っています」
また言うシーラであった。
「本来は私達の方に行きたいようですが」
「それでもですか」
「はい、来ません」
「それは何故でしょうか」
「他の目的があるようです」
シーラは目を閉じていた。そうしながら何かを感じ取っていた。彼女のその力を使ってであった。
「それが何かまではわかりませんが」
「そうなのですか」
「ですから。備えはです」
「いいのですね」
「はい、いいです」
また話すシーラだった。
「プロトデビルンに専念するだけで」
「わかりました」
カワッセはシーラのその言葉に頷いた。そしてだ。
ロンド=ベルの面々もその軍勢を見た。エリスがダバに言った。
「ねえ、敵の旗艦は」
「ああ、そうだな。傍にオージェがいる」
ダバはエリスのその言葉に応えた。
「つまりあれは」
「ギワザの船よね」
「そしてあのオージェはネイだ」
このことも察して話す。
「そして他にもいるな」
「十三人衆のほぼ全てだな」
ギャブレーもここで話す。
「揃っているな」
「そうだな。けれど」
ダバはその彼等を見ながら話していく。
「こっちには来ないな」
「そうね。何かすぐに向こうの方に行くけれど」
「どういうことなんだ?一体」
ダバはいぶかしまざるを得なかった。ギャブレーもだった。
「おかしいな。十三人衆の仕事は我々と戦い倒すことの筈だが」
「シーラ王女の言う通りに何かあるのか」
ダバはいぶかしんで話した。
「これは」
「何かあるな。ただ」
「ただ?」
「今彼等は私達と戦うつもりはない」
ギャブレーはこのことを言うのだった。
「それはだ」
「ないのね」
「それは間違いない。そうだな」
ギャブレーはエリスに応えながらさらに話すのだった。
「これは私達にとっては好都合か」
「さしあたってプロトデビルンに専念できるな」
「だからだ」
こうダバに話す。
「これでいい」
「そうだな。後のことは後で考えるべきだな」
「何か行き当たりばったりじゃないの?それって」
「いや、それでいいだろ」
キャオがいぶかしむエリスにこう話した。
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