第六十三話 ムゲ宇宙での戦い
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第六十三話 ムゲ宇宙での戦い
そこにはだ。紫と銀の機械を思わせる男がいた。
そしてその前にだ。三将軍が集まっていた。
「ご苦労だったな」
「はい」
「有り難きお言葉」
まずはこう返す三人だった。
「しかし陛下」
「我々はあの者達との戦いで」
「相当数の戦力を失いました」
このことには項垂れる彼等だった。
「これは我等の失態」
「真に申し訳ありません」
「だが目的は果たした」
皇帝はそれでいいというのだった。
「それならばだ」
「よいのですか」
「それでは」
「そうだ。あの男」
シャピロのことである。
「所詮はな」
「はい、最後の最後までです」
「気付きませんでした」
「全くもって」
こうそれぞれ言うのだった。
「陛下の手の中で踊っていたことには」
「馬鹿な男よ」
「全くだ」
三人共シャピロへの嫌悪と侮蔑を隠そうともしない。
「案内役の地球人ごときがだ」
「裏切り者風情が」
「我等を指揮するなぞ」
こう言っていってだった。
「我々を指揮するなぞ」
「分不相応にも程がある」
「何が神だ」
まさに全否定であった。
「思い上がりもはなはだしい」
「全くだ」
「無様な末路を遂げたようで何よりだ」
「それでだ」
ここでまた皇帝が言った。
「もうすぐだ」
「はい、もうすぐ」
「何が」
「ロッサがあの娘を連れて戻って来る」
言うのはこのことだった。
「そうなればあの宇宙に用はなくなる」
「では」
「最早」
「そうだ、二つの世界をつなぐ回廊をだ」
それをだというのだ。
「閉じるとしよう」
「はっ」
「わかりました」
「そしてだ」
皇帝の言葉がここで変わった。
「御前達もだ」
「むっ、まだ何かありますか」
「それは」
「長旅の疲れもあろう」
落ち着いた言葉になっていた。
「御前達もゆっくりと休むがいい」
「はっ、それでは」
「御言葉に甘えて」
ギルドロームとヘルマットはこれで下がった。しかしだった。
デスガイヤーだけは残っていた。皇帝はその彼に声をかけた。
「デスガイヤーよ」
「はい」
「不満があるようだな」
こう彼に声をかけたのである。
「そうだな」
「いえ、その様なことは」
「隠す必要はない」
皇帝はその彼にまた言った。
「長い付き合いではないか」
「勿体なき御言葉」
「貴様の考えていることはわかる」
そうだというのだ。
「あのダンクーガなるマシン」
「御存知でしたか」
「そしてロンド=ベルだったな」
彼等の名前も出すのだった。
「あの者達と決着を着けたいのだな」
「いえ、ですがそれは」
デスガイヤーは己を押し殺してそのうえで答
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