第六十二話 シャピロの末路
[2/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
て」
沙羅も一応聞く素振りは見せァ。
「ただね」
「ただ。何だ」
「生きるか死ぬかはこのあたしに選ばせてもらうけれどね」
「私は地球にいた頃だ」
シャピロは話をはじめた。
「ある場所で神の音」
「神の音?」
「何それ」
ロンド=ベルの者達もこれにはいぶかしんだ。
「何か気になるな」
「そうね。やっぱりね」
「様々な音色を持った宇宙音を聴いたのだ」
「それがか」
「神の」
「その調べは宇宙の平和のハーモニーと言ってもいい」
シャピロは言うのだった。
「そして私は知った」
「何をなんだ?」
「それで」
「この銀河を司る絶対的な存在」
こう話すシャピロだった。
「言い換えれば運命というものをだ」
「絶対的な存在」
沙羅もそれを聞いて呟く。
「運命・・・・・・」
「その調べはだ」
「ああ」
「何だってんだ?」
「私に教えてくれたのだ」
「教えた?」
「まさかそれが」
「その乱れがだ。銀河に終焉が迫っていることを」
「銀河の終焉!?」
「それこそが」
「俺達が目指している」
「その頃だった」
シャピロは自分だけで話していく。
「帝国軍が地球にやって来た」
「その時だったのか」
マーグがそれを聞いて言った。
「貴様が聴いたのは」
「地球の運命は動きだした」
そうだったというシャピロだった。
「これが神の啓示でなくて何なのだ」
「さてな」
「手前のわかるものじゃないかもな」
「そして宇宙の神は私に言ったのだ」
シャピロはさらに話す。
「宇宙のハーモニーは破壊された」
「それでなのか」
「こいつがこうなったのは」
「成程ね」
「シャピロ、この私が神となり」
そしていつもの言葉だった。
「この宇宙を取り押さえろとな」
「それでなのかい」
沙羅が彼に言い返す。
「地球を捨てて今に至るのかい」
「奴等についたのはだ」
「どうしてなんだい?」
「この銀河の情報を集める為に過ぎない」
「利用するつもりだったのかい」
「そうだ」
それだけだというのだ。
「所詮は捨て駒だ。私にとってはな」
「御前もな」
「そうだったけれどな」
ここでも冷たいロンド=ベルの言葉だった。
「所詮こんな奴はな」
「誰も切り捨てるさ」
「そしてだ」
だがシャピロはここでも彼等の言葉を聞かない。
「私はムゲ帝王と出会い地球にだ」
「地球に?」
「っていうと」
「宇宙の神に接触する為の鍵を見つけた」
そうだったというのだ。
「それこそがだ」
「あの子だね」
沙羅はすぐに察した。
「イルイだっていうんだね」
「そうだ、あの娘こそだ」
シャピロはその通りだと返した。
「神の子だ。そして」
「そして?」
「それと
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ