暁 〜小説投稿サイト〜
裏生徒会と正しい使い方
第2話 からくり人形が髪を伸ばした昼。
[3/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
「…そりゃ、俺の周りには変なやつらしかいなかったけど」
「ずびし」
峰年は人差し指の第2関節で瀬礼戸を指差した。
「…?」
「…人の無理見て我が不利直せ。君が正常ならば、ガクレクバハだって正常だぞ?」
 「…なんだそのガクレクバハってのは?」
 瀬礼戸はとても分かりやすく渋々といった風に尋ねた。
 「なんだ知らないのか。世界は広いな」
 「そんな常識なのか?」
 「私の知り合いに聞いてみたが、分からない人そんなに多くないぞ?」
 「…そのサンプルが特殊ということはないのか?」
 「ふふ、この手には乗らないか」
 「非常識じゃねぇか」
 「流石智羅 瀬礼戸。伊達に離婚を経験していないな」
 「待て待て待て!どうしてそうなる!」
 瀬礼戸は慌てたように手を広げた。
 「なんだ、違うのか?」
 「違う違う!むしろ、なんで違わないと思ったんだよ!」
 「いやなに、そうだとすると色々と辻褄が合うものでな」
 「どんな辻褄だぁあ!!」
 瀬礼戸は叫んだ後、ぜぇぜぇと肩で息をした。
 「むぅ、違うのか。この反応からして多分本当に違うのだろうな…まぁいい、別の可能性を検討するとするとするか」
 峰年は瀬礼戸のことを気にせず自分の思考を纏め、言葉にした。
 「…それは、どうも、有り難う」
 瀬礼戸はぐったりしたように言った。
 「礼には及ばん」
 峰年は僅かに笑みを見せた。
 少ししして瀬礼戸はゆっくりと顔を上げると時計を見た。
「やばっ、時間無い」
「なんだ?これからバイトか?」
「授業だよ正規雇用の」
瀬礼戸はそう言うと小走りで職員室に入った。
「じゃ」
瀬礼戸は振り向くと峰年に手を上げた。
「ではまたいつか」
峰年はそう言うと踵を返した。


「さてと、約束のブツは持ってきたかな?」
峰年は仙翁と葉蓮を見回した。
今は、5時間目の休み時間。仙翁のクラスに峰年と葉蓮がいる。
「あぁ、うん。一応」
仙翁は自分の鞄を膝の上に置いてルーズリーフを数枚取り出した。
「流石だな。いつ書いたんだ?」
峰年が仙翁達に原稿を依頼したのはこの直前の休み時間で、今は5時間目の休み時間。
 そして期限は6時間目の終わりだ。
 「こっちのクラスの5時間目の授業が終わってから峰年君達が来るまでにね。流石に授業は聞かないといけないから」
 「成る程な」
 峰年はフッと笑った。
 「西部式の決闘の必勝法は、相手が振り向きだしてからこちらを向くまでに素早くターンし終えて撃ち抜くことだということか。…それで、凌霄はどうだ?」
 「まだ6歩目です」
 「うむ、まぁいい。凌霄は普通に10歩歩いてくれ」
 「分かりました」
 凌
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ