第2話 からくり人形が髪を伸ばした昼。
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「…そりゃ、俺の周りには変なやつらしかいなかったけど」
「ずびし」
峰年は人差し指の第2関節で瀬礼戸を指差した。
「…?」
「…人の無理見て我が不利直せ。君が正常ならば、ガクレクバハだって正常だぞ?」
「…なんだそのガクレクバハってのは?」
瀬礼戸はとても分かりやすく渋々といった風に尋ねた。
「なんだ知らないのか。世界は広いな」
「そんな常識なのか?」
「私の知り合いに聞いてみたが、分からない人そんなに多くないぞ?」
「…そのサンプルが特殊ということはないのか?」
「ふふ、この手には乗らないか」
「非常識じゃねぇか」
「流石智羅 瀬礼戸。伊達に離婚を経験していないな」
「待て待て待て!どうしてそうなる!」
瀬礼戸は慌てたように手を広げた。
「なんだ、違うのか?」
「違う違う!むしろ、なんで違わないと思ったんだよ!」
「いやなに、そうだとすると色々と辻褄が合うものでな」
「どんな辻褄だぁあ!!」
瀬礼戸は叫んだ後、ぜぇぜぇと肩で息をした。
「むぅ、違うのか。この反応からして多分本当に違うのだろうな…まぁいい、別の可能性を検討するとするとするか」
峰年は瀬礼戸のことを気にせず自分の思考を纏め、言葉にした。
「…それは、どうも、有り難う」
瀬礼戸はぐったりしたように言った。
「礼には及ばん」
峰年は僅かに笑みを見せた。
少ししして瀬礼戸はゆっくりと顔を上げると時計を見た。
「やばっ、時間無い」
「なんだ?これからバイトか?」
「授業だよ正規雇用の」
瀬礼戸はそう言うと小走りで職員室に入った。
「じゃ」
瀬礼戸は振り向くと峰年に手を上げた。
「ではまたいつか」
峰年はそう言うと踵を返した。
「さてと、約束のブツは持ってきたかな?」
峰年は仙翁と葉蓮を見回した。
今は、5時間目の休み時間。仙翁のクラスに峰年と葉蓮がいる。
「あぁ、うん。一応」
仙翁は自分の鞄を膝の上に置いてルーズリーフを数枚取り出した。
「流石だな。いつ書いたんだ?」
峰年が仙翁達に原稿を依頼したのはこの直前の休み時間で、今は5時間目の休み時間。
そして期限は6時間目の終わりだ。
「こっちのクラスの5時間目の授業が終わってから峰年君達が来るまでにね。流石に授業は聞かないといけないから」
「成る程な」
峰年はフッと笑った。
「西部式の決闘の必勝法は、相手が振り向きだしてからこちらを向くまでに素早くターンし終えて撃ち抜くことだということか。…それで、凌霄はどうだ?」
「まだ6歩目です」
「うむ、まぁいい。凌霄は普通に10歩歩いてくれ」
「分かりました」
凌
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