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国連宇宙軍奮闘記
地球最後の艦隊出撃
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の航空隊を発進の援護に回してくれるとは思いませんでしたよ。」
「新型試作機までいますよ。」
 艦橋にいる人間が言う通りに各種航空機が艦隊の上空を回っていた。

――地球 日本上空 国連科学局所属 コスモゼロ――


『こちら加藤隊、異常無し!』
『こちら山本隊、こちらも異常無し!』
『こちら鶴見隊、異常ありません!』
『こちら篠原隊、異常なーし。』
『こちら山木隊、異常認めず!』
(各航空隊が異常が無いか神経を尖らせている。)
(発進中の艦隊ほど弱い物は無いから仕方は無いのだが。)
(まあこちらに接近中の敵艦など元からいないのだが、こんな時にこの艦隊が出撃する本当の理由を知っていると仕事に熱が入らないのな。)
(地球を逃げ出すための人柱の護衛か・・・。)
『試験隊! おい天野! 答えろ! おい!』
 どうやら俺の番だったらしい。
「こちら試験隊、長距離並び近距離レーダに異常無し、オクレ。」
『こちらも確認した、次回から早く応答するように。』
よりにもよって山南基地司令に直々に答えられた。
・・・後で怒られるな。



――地球 国連宇宙軍富士基地 第3ドック 『ゆきかぜ』艦橋――


「エネルギーケーブル、並び通信ケーブルカット!」
「エネルギーケーブル、並び通信ケーブルカットします!」
第3ドックでは発進準備が最終段階に来ていた。
「エンジン始動!」
「エンジン始動!」
古代の呼びかけに機関員が復唱する。
「機関部、異常は無いか?」
「ありません、ドック長に感謝したいですよ。」
 古代の問いに機関長が答える。
「残念だがドック長の真田は今病院だ。」
 親友は倒れるまで機関の調節をしたらしい。
 あいつらしいと言えばあいつらしいが。

「あれ?」
外を確認していた航海員が異変に気付く。
「どうした?」
古代が聞く。
「いえ、ドックに救急車が停車したんで。」
 外にいるドック員に何かあったのかハンドシグナルで尋ねる。
 するとすぐにドック員が何もないと返してきた。
「発進時の事故に対する備えでしょうか?」
 副官が意見を述べる。
 だが救急車から一人の男性が走ってきたのを見て納得した。
「あれ、真田技師長ですね。」
操舵主が言う。
「まったく、無茶をする。」
 だが嬉しそうに笑った。

――地球 国連宇宙軍富士基地 第3ドック 発進管制室――

「ドック長!」
「状況は!」
発進担当のドック員が驚きながら答える。
「はい、全ケーブルをカットしてあとは発進のみです。」
「遅かったか。」
もう話もできない状況になっていた。
「ドック長、艦橋を!」
真田が艦橋を見る。
古代がこっちを見て敬礼していた。
『ありがとう、行ってくる。』

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