After days
summer
日常との境界
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のは和人と明日奈。
『日常』と繋がる彼らを知覚しているだけに、『非日常』に上手く入れなかった。
「―――ここからは裏の世界」
2人に聞こえるよう、かつ自分に言い聞かせるよう言葉を紡ぐ。
「『日常』を守るために俺は『非日常』で戦う」
同時にゆっくりと歩を進め始めた。付けてくる気配は、ない。
「願わくは『日常』が居心地のいい場所であらんことを―――」
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「『アマリリス』起動」
その宣言に従い、『アマリリス』はその砲身を上げる。
砲身は円錐形になっており、その尖端は拳ほどの水晶球になっていた。
1964年に試作された『レーザー兵器』約60年の歳月を経て稀代の天才(天災)笠原竜也によって実用化されたそれが『アマリリス』だった。
「攻撃対象『ヴァレリー』――座標設定完了。距離2000。―――どうされました?隊長」
アマリリスから目を離し、制御パネルに何かを打ち込み始める螢。今さらそんなものに用は無いはずなのだが……。
「『アマリリス』のレーザー出力を下げろ。撃滅は取り止め、鹵獲する」
「…………!?な、なぜ?」
「暴走の原因が気になる。秘密裏に鹵獲し、解析しよう」
「……了解。砲手、出力を下げなさい」
「は、はい!」
キュウゥゥゥン。と音をたててアマリリスが沈黙する。
「『アマリリス』のターゲット変更。『ヴァレリー』のコアに照準する。替われ」
自ら砲手席に座り、狙いを『ヴァレリー』のコアに定める。
これは完全な命令違反。完全な彼の独断だ。バレれば命の保障は無かった。
――シッ!!
放射された光エネルギーはその熱で『ヴァレリー』の装甲を突き破り、コアを破壊した。
「回収部隊を向かわせろ。名目は残留物質の処理でいい」
「了解。お疲れさまでした」
「ああ。お疲れ」
気を効かせた藍原が暗に「もう休んで下さい」と言ったのを汲み取り、俺はホテルへ戻っていった……。
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翌日、帰りの飛行機にて
「すぅ………」
離陸した途端、寝始めた螢。
例によって水城家でチャーターした飛行機なので、皆は自由にしていた。
「どうしたのよ螢。あんなに無防備に寝ちゃって……」
和人が頬を突っついても、夏希やレオンが顔に落書きしても、同じ空間で皆がどれだけ騒いでもピク
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