After days
summer
日常との境界
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「……烏龍茶」
「……………」
もう、半ば諦めてはいたが。
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Sideレオン
彼が今居るのは地元で一番の商店街らしい。確かに店も多く、品揃えも豊富だ。勿論、観光客向けのお土産屋もいくつかある。
買ったものを片っ端から持たせられてる身としては至極迷惑だが……。
隣を見やると、同じく荷物を持たせられてる螢の兄――蓮は前を行く4人の少女達を優しげな目で眺めている。
里香、珪子、直葉、そして沙良。沙良が合流したのは実に初日以来だが彼女曰く、後はもう非番らしい。
せめてエギルが居れば荷物持ちはもっと楽だったのだが、当のエギルは早々にどこかへ行ってしまったので、ここにはいない。
「おーい、まだ買うのか?」
「「「「もちろん」」」」
実はついさっきも同じ質問をしたのだが、帰ってきた答えは一緒だった。一昨日、昨日と2日とも海で散々遊び、夜も騒ぎ通しているというのに疲れを見せていないのは流石10代の乙女といった所だろうか。
「レオン君、今彼女達を止めるのは無粋というものだよ。諦めよう」
「蓮さんは慣れてるみたいですね……」
暗に彼女持ちかを訊ねてみるが、蓮は笑いながら首を振る。
「祖父も螢も俺も沙良に甘いからね。ああ見えて沙良も昔はおてんばさんだったからそう見えるんじゃないかな」
「なるほど……」
元気の塊のような里香、珪子、直葉に対して沙良の物腰は落ち着いている。
かと言って全くはしゃいでいない訳ではないが。
「でも沙良は友達が少なかった……いや、居なかったんだ」
「え……?」
意外な発言に思わず荷物を取り落としそうになる。
「内弁慶っていうのかな。家では元気なんだけど、学校とかに行くと、どうも自分から壁を作っちゃったみたいで」
「そうだったんですか……。意外です」
「だろ?だから、俺は沙良と友達になってくれた皆に感謝してる」
笑顔で店の前に陳列してあるアクセサリーを手に取っている妹を見つめながら蓮は微笑んでいた。
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Side明日奈
打ち寄せる波の音と浜で遊ぶ人々の声。水平線を見ればその蒼穹を遮るものはない。
アメリカとの合同演習と聞いたので、船影ぐらいは見えるものだと思っていたらそんなことも無いようだ。
「ユイ、どうだ?ちゃんと見えてるか?」
和人が明日奈が
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