第九話「レイナーレ御一行、退場のお知らせ」
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、次に行こうかな。
抉れた地面や薙ぎ倒された木々を元に戻す。隔離結界は結界内と外界を遮断するだけでなく、結界を解いた時に、結界内の環境を以前と同じ状態に戻すことが出来る。隠蔽が楽チンなのですよ。
公園を元に戻した僕は不備がないことを確認すると、一つ頷いてその場から姿を消した。
† † †
向かった先は教会。アーシアちゃんのお家だ。気配を探ると、中に人の気配が十五。堕天使と思わしき気配が三つ。
んー、全員相手にするのも面倒だしなー、どうしよっか?
玄関前で顎に手を当てて考え込む。すると僕の後ろから聞き覚えのある声がした。
「あれあれあれぇ〜? そこにいるのは何時ぞやの少年じゃあーりませんか〜!」
振り向くと、そこには白髪の神父――フリードくんの姿があった。
「もしかして、僕チンに遭いに来てくれたのかなぁ? いやーん、フリード、カ・ン・ゲ・キ! 先日の一軒以来、僕チンは君にフォーリンラブなんですよ〜! もう寝ても起きても君しか考えられないって感じ? いやー、メンゴメンゴ! というわけで、死んじまいなぁ!」
懐から二丁の拳銃を取りだしたフリードくんは照準を僕に合わせる。
「アーメン!」
「ん、Amen」
引き金を引くよりも速く、僕はフリードくんの背後に回ると手刀で突き刺した。
「……おいおい、なんだよそりゃ……」
フリードくんの眼下に突き出た腕。その先には心臓が握られていた。僕は肘を曲げて腕を突き刺したまま心臓をフリードくんの眼前に持っていき――、
――ブシュッ。
握り潰した。
腕を引き抜いてフリードくんの遺体をポイッと横にどかす。一瞬、僕の身体を炎が包み、身体や服に付着した返り血を浄化する。
「んー、やっぱ全員相手にするのは面倒だから、まとめて潰しちゃうか」
そうだ、久しくアレをやってなかったから、やっちゃうか。
なら、教会一帯を認識阻害結界で囲んで、と。これで外からは教会を認知できないし、何が起こっても気にならない。これで準備は万端だ。
「じゃあ、始めますか!」
両手を地面につけて魔力を流す。魔力は円を描くように渡り、教会を中心に巨大な魔法陣となった。
「――『黒陽・大炎上』」
突如、魔方陣から巨大な黒い火柱が立ち昇る。直径三十メートルはある黒い炎はすべてを灰燼にして、瞬く間に教会そのものを焼き尽くした。
後に残ったのは焼け焦げた土地だけだった。
「ん、終わり! あー、良いこと
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