第九話「レイナーレ御一行、退場のお知らせ」
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食い縛り、僕へと懇願する。本当は自分で助けたいだろうが、イッセーにはその力がない。その願いには万感の想いが込められていた。
「言われるまでもないよ」
レイナーレちゃんが突然イッセーの隣に現れた僕の姿に驚愕する。
「あなたはこの前の! ――いえ、いつからそこにいた?」
「ん? 始めからだけど。馬鹿には見えない結界を張ってたのさー」
僕はチュッパチャップスを食べながら指をイッセーに向ける。
「――『完全再生』」
残りのダメージは消えたから、イッセーの方はこれで良しと。じゃあ、次は――。
ピッとアーシアちゃんの方に指を向ける。
「――『引き抜き』」
アーシアちゃんがレイナーレちゃんの元から消え、僕の元に現れた。これで人質の心配も無しと。良し良し。
レイナーレちゃんが口を開こうとしたが、すかさず僕は手の平を向けて待ったをかけた。
「あー、僕が何者だとか、何をしたって聞くのなら止めてくれる? 教える義理は無いし、言ったところで理解できないし、どうせ無駄に終わるからね」
何せ、キミの運命はもう確定してるのだから。
立ち上がったイッセーの頭をナデナデ。よく頑張りました! 流石は僕の一番の友達だね。
「よく頑張ったねイッセー、格好良かったよ。アーシアちゃんも、もう何も心配しなくていいからね。後は万事僕にお任せあれだよ」
イッセーとアーシアちゃんの手を繋ぎ、空間跳躍の準備に入る。座標はオカルト研究部、と。
「僕はちょーっと用事があるから、先に戻ってて。じゃあ、また後でね」
ちょっと一方的だけど、二人を部室へ跳ばす。そして隔離結界を張ってこの公園を外界から隔離した。これでもう、逃げられない。
さてさて、お楽しみの時間だね。ニフフフフ……。
「これは、結界……? アーシアたちを隠したのもあなたの仕業のようだし、何者なの? 少なくとも人間じゃないわね。私の槍を受けて無傷な人間なんていないもの」
「んー、その質問には答えないって言ったばかりなんだけど、もう忘れちゃった? 堕天使って鶏並みに記憶力が低いんだねぇ。ニプププっ」
「……ガキが、調子に乗るんじゃないわよ。人間の分際でこの私に楯突いたことを後悔するがいい!」
「にはは! 僕から言わせればキミの方が余程小娘なんだけどね。じゃあ、最近運動不足なことだし、運動しますか!」
レイナーレちゃんが槍を投げてきた。その数は五本。
「死ね、人間!」
「イヤだ!」
縮地で回避した僕はレイナーレちゃんの翼の片方目掛けて手刀を振るう。魔力を帯びた手刀はレイナ
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