第九話「レイナーレ御一行、退場のお知らせ」
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「へぇ、生きていたの。しかも悪魔? 嘘、最悪じゃないの」
現れたのは黒髪の少女。確かレイナーレ、だっけ?
イッセーを殺した張本人。僕がみすみす逃した堕天使。
今度は絶対に逃がさない、僕を敵に回したこと、後悔させてやる……。
「……堕天使さんが、何の用だ?」
「話し掛けないでくれる? 薄汚い下級悪魔風情が」
レイナーレちゃんは汚ならしいものを見るような目でイッセーを睨んだ。
「その子は私たちの所有物なの。返してもらえるかしら? ――アーシア、逃げても無駄なのよ?」
うにゅ? 逃げる? ……どういうこと?
「……嫌です。私、あの協会には戻りたくありません。人を平気で殺すところへ戻りたくありません。……それに、あなたたには私を――」
アーシアは珍しく嫌悪を露にしていた。
……教会で何かあったのかな?
「そんなこと言わないでちょうだい、アーシア。あなたの神器は私たちの計画に必要なのよ。さ、私と一緒に帰りましょう。あまり迷惑を掛させないで」
近づいてくるレイナーレちゃんから逃れるように、イッセーの後ろに隠れるアーシア。その身体は恐怖で震えていた。
「待てよ、アーシアが嫌がってるだろ。ゆう――いや、レイナーレさんよ、あんたこの子を連れてどうするつもりだ?」
「下級悪魔が私の名前を呼ぶな。名が汚れる。あなたには関係のない話だわ。さっさと尻尾を巻いて逃げるなら見逃してあげてもいいわよ? それとも、また死んでみる?」
レイナーレちゃんの手に光が集まり、槍が現れる。なんで槍なんだろうね?
「セ、セイクリッド・ギア!」
籠手を呼び出し身構える。レイナーレちゃんはイッセーの神器に目を向けると、失笑した。
「あなたの神器って、もしかしてそれ? 『龍の籠手』? アハハハハ! 下級悪魔にお似合いな最弱な神器じゃない!」
「うるさい!」
『Boost』
籠手から人工的な声を響かせ、イッセーが駆ける。あー、ダメだよ、そんな直線的じゃ。ほら――。
「か弱い乙女に殴り掛かるなんて野蛮ね。これだから下劣な悪魔は……」
ヒラリと避わし槍で太ももを貫く。
「ぐぁあああっ!」
あまりの激痛に膝をつくイッセー。目に涙を浮かべ、震える手で槍を掴んだ。
ジュッと肉の焼ける音がした。
「ぐぅぅぅぅ!」
「どうかしら、光の味は?あなたたち悪魔にとって光は猛毒。さぞかし痛いんでしょうね」
クスクス笑うレイナーレちゃん。趣味悪いねぇ。
「イッセーさん!」
「おっと、
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