第十話「お友達が出来ました!」
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番救いを求めてるのはこの子じゃないか! なのに、なんで助けないんだよ!
俺はアンタのことを何一つ知らないし、信仰もしたことがない。おまけに悪魔だ。そんな俺でも、こうしてアンタに声を掛けることは出来るんだぞ! 神器はアンタが渡したんじゃないのかよ!
こんなの、こんなのって、ねぇよ……!
…………。
あー、もういいし。わかった、ならこうしてやる!
俺はアーシアの前にしゃがむと彼女の手をそっと両手で包み、涙で揺れるその目をまっすぐ見つめる。
「アーシア、俺が友達になってやる。いや、俺たちはもう友達だ」
俺の言葉にアーシアはキョトンとした。
「悪魔だけど大丈夫! 代価なんて取らないし、気軽に遊びたいときに俺を呼べばいい! あー、ケータイの番号とアドレスも教えてやるからさ」
「……どうしてですか?」
「どうしてもこうしてもあるもんか! 今日一日アーシアと遊んだだろう? なら俺たちはもう友達だ! 悪魔とか人間とかは関係ない!」
「……それは、悪魔の契約としてですか?」
「どうしてもこうしてもあるか! 俺が友達になりたいと思ったから友達になるんだ! わけのわからないことは抜き! そういうのは無しだ! 話したいときには離して、遊びたいときには遊ぶ。そうだ、買い物も今度付き合うよ! 花とか服とか見て回ろうぜ!」
我ながら下手な会話だと思う。気の利いたことの一つも言えないし、身振り手振りで俺の気持ちを伝えようと必死だ。木場なら洒落たことが言えるんだろうな。
けれど、アーシアは口元を手で押さえながら再び涙を零した。
それが、悲しい涙ではないと信じたい。
「うんうん、青春だねぇ。おにいさん、感動しちゃったよー」
レイが腕を組みながら頷いている。
「じゃあ僕もイッセーに倣ってお友達になろうかな。アーシアちゃんのことも気に入ってるし。僕のマイフレンドリストに登録してあげようー」
ほにゃっとした笑みを浮かべたレイはアーシアちゃんにチュッパチャップスをあげながら、頭を優しく撫でた。お前、何かにつけてソレだな……。
「……なんで、レイさんまで」
「んー? 僕がなりたいからなっただけだよ。それ以上でもそれ以下でもなし。アーシアちゃんは今、貴重な友人を手に入れたのだー!」
特に僕はレアもレア、激レアだよ。経験値いっぱいだね、っとまた訳のわからんことを言うレイ。まあ、こいつなりに励ましてるんだろうな。
「……イッセーさん、レイさん。私、世間知らずです」
「これから俺と街へ繰り出せばいい! 色んなもん見て回れば問題ないさ!」
「世
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