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故郷は青き星
第二十五話
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考えてもAIじゃないし補佐もしてるようには思えない。こんな面倒な奴に係わりたくないので正直なところさっさと家に帰って、ゆっくり風呂入り、DSWOは今晩……いや暫く控えて、寝たいと思っていた。

 しかし、このような状況の会場の中にあって1人だけ事態の収拾に乗り出す大人な存在がいた。
「皆さん。私から補足で説明があります。私は現在ニューワールド社に出向中の経済産業省の室川と申します。経産省の人間である私がニューワールド社に出向しているという事実は、このプロジェクトに日本政府が関与しているということに他なりません」
「日本政府が?」
「今回のプロジェクトは、国連理事国。及び主要国と連盟との間で結ばれた条約に従い各国政府の協力の下に推進されており、決して異星人が侵略目的で地球にやってきたという荒唐無稽な話ではありません」
 室川から、【敵性体】の存在と現在の天の川銀河がおかれた状況は、ほぼDSWOの設定の通りであり、この銀河に生きる炭素系生命体の一員として侵略者である【敵性体】と戦う義務を持つこと。そして連盟に加盟し対【敵性体】戦争に参加する事のメリットを筋道を立てて分かりやすく説明する。
「つまり一部の隙も無い大義名分があり、戦わないデメリットが数百年後の将来、地球人類を含む天の川銀河の田祖形生命体の滅亡。戦うメリットは連盟の全面的な援助が受けられて、現在地球上で起こっているエネルギー・資源問題。環境問題の解決。その他、医療技術などの大幅な進歩が見込める。そして敵は生命体といえども意思の疎通すらはかれない我々とは相容れない珪素系生命体で敵を倒すことへの抵抗感も少ないということです」
 彼の説得力の高い説明を前に参加者の多くは黙って頷くしかなかった。
 そして各会場においても彼と同じ境遇の出向者達が何とか場を納めていたのだった。
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