―修学旅行 中編―
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ィスクを構えて俺にデュエルを挑んでくる……確か氷丸という人物は、十代に翔と剣山のことを伝えた人間だったはずだ。
斉王美寿知の部下のような扱いであるだろう人物が何故、あのように逃げてくるように走ってきて、いきなり俺にデュエルを挑んでくるのか……?
「まあ、デュエルを挑んでくるんなら受けて……って!?」
俺が座っていた縁側の隣に置いてあったデュエルディスクが無く、辺りを見回すと吹雪さんが俺のデュエルディスクを持って氷丸の前に立っていた。
「僕の名前は天上院吹雪。義弟と戦う前に、まずは僕とデュエルしてもらおうか」
「ちょっ……吹雪さん!?」
俺の非難の声に吹雪さんはニコリと笑い、ウクレレを俺に投げ渡し、アロハシャツをマントのようにばっさりと脱いで、亮と同じデザインのオベリスク・ブルーの制服姿となった……どうやったかは解らない。
「……デュエル・アカデミアのキングが相手なら、美寿知様に報告しても不足はないな……よし、黒崎遊矢の前にお前からだ!」
なんとも行き当たりばったりな氷丸の言動を見ると、どうやら斉王美寿知から言われた計画的な指示ではないのだろうか。
「君たちのせいで愛しのアスリンと義弟が迷惑をしていてね……少し、憂さ晴らしをさせてもらうよ!」
「そんなこと知るか! 俺も勝たないと美寿知様に……!」
突発的に始まったデュエルを見るために、もはや『弟じゃない』というツッコミも忘れ、どんなデュエルが起きるか注目することとなった。
『デュエル!』
氷丸LP4000
吹雪LP4000
「俺の先攻だ! ドロー!」
デュエルディスクが先攻だと告げたのは氷丸……岩丸や炎丸と同じようなデッキ構成であれば、《氷帝メビウス》を主軸にした【水属性】であるのだが、はてさて。
「俺は《アシッド・スライム》を守備表示で召喚!」
アシッド・スライム
ATK800
DEF1000
酸でドロドロに溶けていっているスライムが守備表示で現れる……《スライム》というカード群はその特徴として、トリッキーな効果を活かした戦いは出来るものの、カードパワーによる決定打が無いために、他の切り札級のカードの投入を余儀なくされる。
……これは、俺の予測通りのデッキのようだ。
「カードを一枚伏せ、ターンエンドだ」
「僕のターン。ドロー!」
常勝不敗を旨とし、いつでもお互いに全力を出すリスペクトデュエルを標榜している亮と違い、双璧をなすと言われている吹雪さんはなかなか本気を出さない。
吹雪さんの言葉を借りるならば『いつでも僕は全力さ!』ということになるのだが、学園祭で俺とデュエルした時は【魔法剣士】というファンデッキであり、明日香とレイ相手のタッグデュエルでは【絵
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