暁 〜小説投稿サイト〜
裏生徒会と正しい使い方
第1話 『残念ながら私がその1%だ』
[4/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
来る?」
仙翁は怪訝な顔をした。
「ふっ、放送部は実質廃部同然。あとは放送室の鍵を手に入れれば後は乗り込むだけ」
「その鍵をどうやって手に入れるんすか?」
「いやなに、私はこの学校のマスターキーを盗み出して鍵屋に持っていって複製したことがあってね、」
峰年は淡々と言った。
「…で、それはどこにあるの?」
「家」
「…盗浦君、」
仙翁はたしなめるような目で峰年を見た。
「もしかして、毅蔭さんに取ってきてもらうの?」
「理解が早いな」
峰年がそう言って悠々と携帯電話を取り出すと、仙翁の非難する目が強くなった。
「毅蔭さん仕事あるんだから、あんまり酷使しない方がいいよ」
「ハハッ、まるで常人の為に常人をたしなめるようだなぁ相対的常人」
峰年は立ち上がりゆっくりと回転しながら言った。
「安心しろ。あの人は私の想像を遥かに越える。むしろあの人があれだけ年を食って私の常識から少ししか乖離していなければ、期待が高いだけにショックが大きい。喉を通らない物とかも出てくるやもしれん位に」
「それとこれとは違うと思うけど…」
「まぁまぁ。あちらだって断ればいいだけだ。考える気はない。全Y削げだ」
峰年は携帯電話を耳に当てた。


峰年は銀色の軽自動車を見つけ、手を軽く振った。
車が峰年の左に停まると後部座席のドアが勝手に開いた。
「…おや、」
峰年は開かれたドアからおはようと挨拶をしながら車内に乗り込んだ。
「おはようございます」
運転席の毅蔭(ギオン) 黎梨(レリ)が、峰年の方を向いて頭を下げた。
「おはよう」
峰年が声のする左を、左なのだ、向くと、煤同母(ススイロ) 辺路(ベロ)が峰年をじっと見上げていた。
「おはよう」
峰年は返しておいた。
辺路と黎梨は数年前、辺路が生まれたことを契機に引っ越すことにしたそうで家の近い峰年はそれから2人と仲良くしている。
黎梨は20代後半で、峰年は彼女の微笑んだ表情しか見たことが無い。
辺路は6才で、彼も彼でいつも楽しそうに笑っている。
「…煤同母は、学校じゃないのかね?」
峰年は運転席に声をかけた。
「休ませました。本人が休みたいと言うから」
黎梨は平然と答えた。
「どうした?いじめられてるのか?」
峰年は辺路を見た。
「うん、いじめられてはいるよ」
辺路はあっさり答えた。
「なんか対策はいらないのか?」
「うぅん、まぁまだいいかな」
「丈夫だな」
「うんだってね、みんなぽくのことキモいとし
かいわないもん。それかんがえたらいみかんが
えなきゃなんでもないよねって」

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ