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【完結】剣製の魔法少女戦記
第二章 A's編
第三十一話    『グレアムとの出会い』
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でもここでは詳しく話せません。私としてもどうして彼女がユニゾンデバイスというものになっているのか理解が及んでいませんので。
それにここからは魔術の世界の話になってきますのでおいそれと事情を話すことはためらわれますから…」
「そうか。残念だけどここは引き下がるとしよう。ではもうこの話は終わりにしようか。強制するのは私の理に反するのでね」
「…助かります」

それから色々と話をして部屋を出る際にクロノとグレアム提督は一言、二言交わしていたが、特に滞りなく終わり私達はそのまま退出した。
それと私としては退出する際にグレアム提督の表情が後ろめたいような表情になっていたのに気づき、なにか闇の書事件に強い思い入れでもあるのかと、そう感じた。
こんな時にリンがいればもっと深く事情を探ることは出来るだろうけど私じゃせいぜい腹の探り合いをするのがやっと。
だから少しだけどこかで手を打っておこうかと思う。なにかしら情報を持ちえていると思うから。

…しかし、ふと思う。私はこんなに用心深く人の腹を探るような性格をしていただろうか?
さらにまるでリンのようにうけた喧嘩は最後までキッチリ終わらせないと気がすまないと思う好戦的な思考を持ち合わせていただろうか?
等価交換をこんなにうまく利用していただろうか?
なぜかは分からないけど、自分が自分じゃなくなっていくような…そんな嫌な気分になった。

「…シホちゃん? どうしたの、やっぱりまだ寝ていた方がいい?」
「えっ…? なんで?」
「なんか、シホちゃん…とても深刻そうな顔をしていたから。やっぱりまだ傷が痛むんじゃないのかなと思って…」
「そんなことはないわ。ちょっと考え事をしていただけよ? だから気にしないで、なのは」

なのはに心配ないと答えて、私はさっき感じた嫌な考えをしないようにこの思考に蓋をした。
そうしないと私のアイデンティティーが崩れてしまうかもしれないと思ったから…。




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