暁 〜小説投稿サイト〜
【完結】剣製の魔法少女戦記
第二章 A's編
第三十一話    『グレアムとの出会い』
[2/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
く際に感じる痛みは魔術師にとって当然のつき物。
そしてそれを制御して己の自由自在に扱えるようになれば痛みも気にしなくなる訳。
でもなんであれ完璧に制御なんてできるわけはない。制御に失敗した魔術師はその属性によって様々な暴走を起こすのよ」
「た、例えば…?」
「私の世界での基本属性は『地水火風空』の五種類。総じて五大元素―――アベレージ・ワンともいうわ。
だから一つの典型的な例を上げると火の属性を扱うものはこの世界でもよく聞くオカルト現象の一つ、自然発火現象を起こして体が燃え尽きたりしちゃうわ。
後はこの属性に限らず魔眼使いの例…目は脳に直結しているから行使し続けると脳のオーバーロードで発狂して、最悪廃人ね。
ようするに私達魔術師は死というペナルティーと隣りあわせで魔術を行使しているのよ」

それでその事を話していなかったフィアも含めて全員驚愕の表情をしていた。
そしてすぐに、

「それじゃシホちゃんは大丈夫なの!?」
「ああ、私の場合を話していなかったわね。私の属性は特殊でね…五大元素に含まれない『剣』という属性なのよ。
だから今回は瀕死の重傷を負った事がトリガーとなって魔術回路が暴走して体から剣が突き出してきたってだけ。
(…ま、本当は固有結界の内部からの暴走なんだけどこれはバレるとまずいので話さないでおこう)
…ああ、今回のような事は滅多に起こらないから大丈夫よ? 前にも重症を負っても剣が突き出る事はなかったでしょう。
ただ今回は体力、魔力、精神力ともに大幅に消費していた事と、意識が一瞬で飛ぶほどの衝撃を受けた事…それに他にも詳しく話せないけど色々要因が重なった事が原因だから。
…だからそんな泣きそうな顔をしないで皆」

私は心配かけさせないように笑顔を浮かべた。
だけど最後まで聞いていたフェイトが顔を俯かせて、

「ゴメン、シホ…私がもっと周りを警戒していればシホはこんな事には…アタッ!?」
「ツッ!…あ、謝らないの。フェイトはあの状況ではベストな行動をしっかりと取っていたわ。ただ、その仮面の男がフェイトのそれを上回っただけの話…。だから気にしないこと。いいわね?」

私はあまり力の入らない手を無理に動かしてフェイトの頭に叩きを当ててネガティブな考えを訂正させる。

「う、うん…。でもそれじゃ私の気持ちが晴れないから改めて謝らせて。ゴメンね、シホ…」
「…まぁ、うん。フェイトがそうまでいうなら私は構わないわ。でもいつまでも引きずらない事。それより次にどうするか考えること。いいわね?」
「うん!」
「…でも、そんな大怪我を負ったっていうのにどうして私の怪我は、包帯は巻かれているけどこんなに軽いの…?」
「それはだな。まぁ、実際に見てもらったほうがいいだろう」

クロノは一つの画面を開いて
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ