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Dies irae~Apocalypsis serpens~(旧:影は黄金の腹心で水銀の親友)
閑話 死者(四者)は何を夢想するのか
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けど一々実験をする時に興奮してる変態だ。どうやらこいつにとっては俺という存在は人間ではなく、■■■■という自分が造り上げた物だと思っているらしい。だから俺という物を使っている過ぎないとこの研究者は感じているようだった。

「そりゃあやっぱりコストの問題なんじゃ「黙れッ!!」……」

言い切る前に研究者は俺を殴る。実験途中で拘束されて動けない俺はそれを見切ることは出来ても避けようが無いのからそのまま殴られた。

「人形が喋るな!お前は私の作品なんだ!喋っていいのも勝手に行動して良いのも私が許可したときだけだと何度言えば分かる!」

反抗的な態度。それが俺が失敗作だといわれる所以らしい。初めて許可を出された自由行動の時に他のご同輩が何もしない状況で俺だけが自由気ままに行動したこと。その際に相手から喧嘩を吹っかけられて全員殺したのが上からしたら不味かったらしい。上はこれを見て首輪をするのが難しいと判断したらしい。まあ、あながち間違ってもいないだろうけど。
そんな理由で失敗作と決定されたことを目の前の研究者は許せないらしい。だから以後、俺は自由に喋ったり行動しようとすれば物理的に大人しくさせられた。ある時なんかは俺の精神を一度壊して作り変えようとしたみたいだ。まあ失敗に終わったけど。
だけどずっとこうやって閉じ込められたんじゃあ楽しく生きれないじゃない。そう思うようになり始めて何日も何日も何日も待って待って待ってそれで我慢できなくなった。

「それじゃあ、バイバイ〜」

俺の事を物として扱っていた研究者の管理は正直いって杜撰極まりなく、そこら中にあったガラクタと一緒に放置の状態だった。だから勝手に脱走して好きなように生きることにした。

******

自由に生きてみて分かったことは俺は他人とは違いすぎていたことだった。身体能力もそうだが何より価値観が違ったのだ。強いて言うなら俺は刹那快楽主義者だった。そうなるのも正直無理ないと思う。
だって周りの人間は先輩だろうと同期だろうと後輩だろうとも次々と死んでいくのだ。そして次の日には不思議なことに、隣には新しいお友達が、って感じでそれこそ友達百人でっきるかな(注:故人に限る)の状況だ。正直そんな中じゃ今この時を楽しく生きようって思うようになってもおかしくないだろう。
そういった人間であるからこそより深い闇に引かれ世間の裏に触れるようになっていた。だから今、目の前で起きていることも当然の出来事といえる。

「グッ!?」

銃弾より明らかに速いそれは白い獣だった。一瞬だけ見えたのは白い髪にドイツの軍服。圧倒的な速さで同業者を蹂躙し、返り血すら浴びることなく二十は超えるであろう人間を屠った。
躱せたのは全くの偶然、視界に写って避けたのではなく何時かの投薬時に得た超人的な直感のお
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