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Dies irae~Apocalypsis serpens~(旧:影は黄金の腹心で水銀の親友)
第二十六話 死者の晩餐
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?何でよッ、カリグラッ!!」
理解できたことは敵であるカリグラと言う奴がアルフレートの腹部を突き刺し、それを見てパシアスが絶叫しながら錯乱していることだけだ。クソ、一体何がどうなってるんだ!?
「ずっとだ、六十年以上前から俺はその目が気に入らなかった。俺はカリグラなんてテメエの都合のいい人形じゃない。俺は■■■■■だ。捨てた名、いやお前に捨てさせられた名を言葉にすることすら出来ない。だが誰も俺を知らなくとも俺を忘れようとも俺自身が…俺だけが知っているんだ。魂の契約?分体の定め?そんなもの知ったこっちゃない。俺は、誰の指図も受けやしないんだよ!!」
アルフレートの腹を突き抜けた
黒円卓の
(
ヴェヴェルスブルグ
)
聖槍
(
・ロンギヌス
)
をカリグラは引き裂く。腹を横切りにされ、普通なら致命傷であろう傷、しかし聖遺物を持つものならおそらくは耐えれるであろう傷、にもかかわらず腹部を押さえるアルフレートは今にも消え入りそうな程消耗しているのが分かった。
「オイオイ、仲間内で今更裏切りか?」
「いいや…違うね。これもまたきっと予定調和なのさ」
司狼の問いかけに力無く答えるアルフレート。明らかに魂の総量は消費し続けている。まるで呪いでもかけられたかのように死神に手を引かれているのが分かる。
「違う!お前の脚本に俺は逆らった!アンタの願いはここで終わりなんだよ!!俺はアンタを殺してこいつ等の力を奪い俺だけの自由を得るんだ!!」
叫ぶように宣言するカリグラ。刺された本人であるアルフレートはそれをまるで反抗期の子供を相手に仕方ないと言うかのような苦笑を浮かべる。何でコイツは目の前で殺そうとしている相手にそんな表情が出来る。
「さて、余興にしては随分不恰好になってしまったね。已む得ないな……お膳立てに専念しようじゃないか」
血を口から垂れ流すように零しながら、まるで人形のように無機質に話し出す。
「司狼ッ!櫻井ィ!?」
瞬間、アルフレートの足元に魔方陣が浮かび上がる。そして周りの景色が歪み周囲を見渡せば側にいたはずの司狼と櫻井はいなくなっており、俺がいる場所も明らかに先ほどいた場所と違っていた。その魔術は明らかに実力として有り得ないものだ。いや、俺自身魔導に疎いといえるが、だとしても常軌を逸していることは確実といえる。何故ならその魔術の発動の瞬間を時間を引き伸ばしているはずの俺が見逃したんだから。
「さあ、僕自身が唱える最後の詠唱だ」
何かがひび割れる音が聞こえる。上を見上げるとラインハルトがこちらを嗤いながら見下ろしていた。その様子もアルフレートも同じように見て、笑みを返しながら言う。
「ああライニ、この魂を此れ迄捧げれなかったことを、そしてこれから先に逝ってしまう事を赦してくれ」
『
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