第五十九話 囚われの心、叫ぶ時
[6/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
。彼等は策を考えだしてきていた。
そうしてである。ハザルはその時。
「ふむ。ムゲ帝国がか」
「・・・・・・・・・」
エイスが彼の前にいる。
「わかった。ではエイス」
「・・・・・・・・・」
「その時になれば動くぞ」
「動く」
「そうだ、動く」
こう彼に言うのである。
「あの男に渡していい存在ではない」
「そういうことだよね」
ここで孫光龍が出て来た。
「やっぱりね。あの娘は欲しいよね」
「孫、何時からいた」
「いやいや、さっきからだよ」
孫は明るい顔で彼に返す。
「本当だよ、これは」
「ふん、まあいい」
「それでだけれど」
孫はその明るい調子でハザルに対して言うのだった。
「いいかな」
「何をだ」
「だからだよ。そろそろまた動くんだよね」
「そのつもりだ」
こう返すハザルだった。
「何か問題があるか」
「ないよ」
「なら何故言う」
「いや、気になってね」
「気になるだと」
「そう、あの少女」
そのイルイのことだった。
「かなり凄い力を持っているけれどね」
「それはもう知っている」
ハザルはつまらなさそうに孫に言葉を返した。
「それがどうしたのだ」
「いやいや、あまりにも凄い力はね」
「どうだというのだ?」
「使いこなせない場合だってあるかもね」
何気なくを装って言ったのであった。
「そう、例えば」
「例えば、か」
「子供に武器は扱えないよね」
孫の顔が一瞬だが変わった。ドス黒くなった。
「過ぎた武器はね」
「・・・・・・孫、貴様」
ハザルの顔にも怒気が浮かんだ。
「何が言いたい」
「いやいや、怒る必要はないよ」
「俺を愚弄する気か」
こう言って怒りを見せるハザルだった。
「そうなら容赦はしないぞ」
「安心してくれ。それはないから」
「ならいいがな」
「まあとにかくね」
孫はあらためてハザルに言う。
「その少女を手に入れてからは」
「ああ。父上にお渡しする」
「宰相であるシヴァー=ゴッツォにね」
「そうだ。俺はその為に今動いているからだ」
そうだというのである。
「だからこそだ」
「忠誠心ってやつかい?」
「違うな親子だからだ」
「親子だからかい」
「父上は俺の唯一の肉親だ」
こう孫に話す。
「そしてだ」
「うん、そして」
「俺がこの世で唯一敬愛する方でもあるのだ」
「その父上の為にってことか」
「その通りだ。俺はあの少女を手に入れる」
そうしてであった。
「そして父上こそがだ。この銀河を統一されるのだ」
「成程ね」
「その為にだ」
ハザルの言葉は続く。
「あの少女は必要なのだ」
「その力がね」
「サイコドライバー」
ハザルはまた言った。
「その鍵がな」
「
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ