第五十五話 トゥルー=ビギン
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第五十五話 トゥルー=ビギン
グレイスはだ。一人ほくそ笑んでいた。
「これでよしね」
何かを見ながら笑っていた。
「後はそちらに向かうだけね」
こう言ってであった。そのうえでこれからのことを見据えていた。
そしてだ。フロンティアではだ。
「酸素も水もない」
「全ては残り僅か」
「このままではだ」
「やがてどうしようもなくなる」
「もう後がない」
「どうするべきか」
閣僚達がこう話していた。
「こうなれば地球政府に連絡するか」
「ギブアップするというのか?」
「ここで」
「それも一つの手だ」
こう言う者もいた。
「どのみちこのままでは持たない」
「もう酸素マスクが必要になってきたしな」
「食料も。プラントのダメージが大きい」
「どれもこれも」
「戦力もなくなってきた」
「大丈夫だ」
しかしここでレオンが言うのであった。
「もうすぐで辿り着けるのだからな」
「その新天地に!?」
「そう言われるのですか、閣下」
「そうだ。我々は順調に向かっている」
レオンは余裕のある笑みでこう話す。
「案ずることはない」
「それは一体」
「何処なのですか?」
「すぐにわかることだ」
今は言おうとはしなかった。誰にもだ。
「だが。新天地は間も無くだ」
「我等の約束の地」
「そこが」
「今順調に向かっている」
レオンの余裕の笑みは変わらない。
「そこに行くとしようではないか」
「ではここはです」
「信じさせてもらいます」
こう言う閣僚達だった。ここではレオンの弁舌が勝った。
そしてである。アルトはだ。
レオンに呼ばれてだ。彼の話を聞いていた。
「来てもらって悪いね」
「いえ」
まずはこうしたやり取りからだった。
「それで話とは」
「うむ。他でもないのだが」
まずはこう前置きしてだった。
「ランカ君のことだ」
「あいつの・・・・・・」
「そう、彼女だ」
そのランカの名前を聞いてだ。アルトの顔が変わった。
「あいつがどうしたんですか?」
「バジュラについて調べているうちにだ」
「バジュラに?」
「面白いことがわかったのだ」
こうアルトに話すのだった。
「そうだね、ルカ君」
「はい」
ここでルカも来た。
「先輩、バジュラですが」
「ああ」
「まず脳がありませんよね」
彼もまたこのことを話すのだった。
「そうですよね」
「ああ、確かにな」
「けれど生物です」
「そう、そこだ」
レオンもこのことを指摘してきた。
「我々はどんな生物でも脳があれば意思を感じられる」
「ええ、そうですけれど」
「しかしバジュラにはない」
またこのことを話す。
「しかし彼等は生物だ」
「
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