第五十四話 ギャラクシーへ
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こう話すのだった。
「それは宜しいでしょうか」
「是非」
大統領にとってはむべもない返答だった。
「ギャラクシーは御覧の通り危機的な状況です。是非」
「わかりました、それではです」
大河はまずはこの申し出を受けてもらった。そうしてだった。
ここで大河はさらに話すのだった。
「それでなのですが」
「はい、何でしょうか」
「フロンティアと合流して頂けないでしょうか」
さりげなく提案した。
「これから」
「フロンティアとですか」
「今フロンティアも危機的な状況です」
このことも話す。
「そしてギャラクシーもですね」
「その通りです」
「ではここは一つ一つ行動しては危険です」
だからだというのだ。
「それでどうでしょうか」
「わかりました」
大統領はこの提案にも頷いた。ギャラクシーにとっては今は藁をも掴みたいという気持ちだったのだ。それだけ危機であったのだ。
それで頷く。大河にさらに言ってきた。
「それでなのですが」
「はい」
「フロンティアは何処にあるかおわかりですか」
「無論です」
また答える大河だった。
「それは我々が案内させて頂きます」
「そうですか。それは何よりです」
「こちらには高性能のレーダーがありますので」
これもロンド=ベルの技術である。
「ですから御安心下さい」
「はい、それでは」
「しかし」
ここでこの話をすることも忘れなかった。
「そのフロンティアの政権ですが」
「何かあったのですか」
「今の大統領レオン=三島は危険です」
「レオン=三島といいますと」
大統領もその名前に反応を見せた。
「あれですね。大統領補佐官だったあの」
「はい、その彼です」
「その彼が大統領にですか」
「大統領を暗殺して政権に就いたのです」
大河が話すのはこのことだった。
「それで今に至るのです」
「何っ、大統領をですか」
「はい」
また答える大河だった。
「その通りです」
「まさかとは思いますが」
「そのまさかです。証拠もあります」
ここでだ。その証拠を書類にしたものを出す。それを大統領に見せたのだ。
大統領もそれを見てだ。政治家として察した。そのうえでの返答だった。
「わかりました」
「おわかりになって下さいましたか」
「はい、間違いありませんね」
こう大河に述べた。
「これは」
「それではですが」
「我々は今のフロンティア政府を認めません」
毅然とした言葉であった。
「例え何があろうともです」
「ではフロンティアとの合流は」
「現政権を何とかしたうえで、ですね」
それでだというのである。
「そしてそのうえで」
「そうなりますね。何はともあれです」
「これからフロンティアに向かいましょう」
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