第五十四話 ギャラクシーへ
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シェルと病室で話していた。
「それでだが」
「ああ」
「あのグレイスの行方がわからなくなった」
「そうなのか」
「何処に行ったのかわかりはしない」
こうミシェルに話す。
「フロンティアにいるのは間違いないのだが」
「消されたか?」
ここでこう言うミシェルだった。
「大統領にな」
「そう思うか?」
「いや」
ミシェルはここで己自身の言葉を否定した。
「それはないな」
「そうだな。あいつは生きている」
「そう簡単に死ぬ様な奴じゃないな」
「では何処にいる?」
クランはこのことを考えていた。
「一体何処に」
「もうすぐ俺も退院できるしな」
「探すつもりか」
「ああ、そうする」
こうクランに話す。
「一人より二人の方が楽だしな」
「済まない」
「そんな言葉はいいさ。ただ」
「ただ。何だ?」
「第一一七船団といいギャラクシーといい」
ベッドの中のミシェルの顔は深刻なものだった。
「全部あいつがやってきたのか」
「そうかも知れないな」
「だとしたらとんでもないことだしな」
「そうだな、実にな」
「それを調べていくか」
「うむ。ただしだ」
クランは強い顔と声になっていた。
「このことはだ」
「まだ誰にもな」
「言ってはならないぞ」
「わかってるさ。俺達だけの秘密だ」
「そういうことだ」
「それじゃあさらに調べていくか」
「うむ、そうしよう」
こうしたことを話していた。彼等も彼等で動いていた。
運命の歯車は動き続けていた。そしてそれがだ。アルト達をその中に引き込んでいくのであった。彼等が気付かないうちに。
第五十四話 完
2010・9・2
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