第五十四話 ギャラクシーへ
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た。だがシェリルのその迎えには笑顔になった。
そして自分の部屋で二人で料理を作ってだ。彼女と話すのであった。
「今じゃ滅多に入らない新鮮な食材だからな」
「そうよね」
「しかしシェリル」
「どうしたの?」
「御前料理できたのか」
包丁を持つ彼女を見ての言葉だ。
「ちゃんと」
「私だって女の子なのよ」
少しむっとした顔で返すシェリルだった。
「それは少しはね」
「できるのか」
「そうよ、できるわ」
こうアルトに話すのだった。
「一応は、だけれど」
「一応は、か」
「そうよ。それに悔しいじゃない」
こんなことも言ってきた。
「私も何もできないと」
「それもあるか」
「あるわ。うっ」
しかしここでだ。その包丁で指を切ってしまった。
「あっちゃ〜〜〜〜、やっちゃった」
「だから言わないことじゃない」
すぐに絆創膏を出すアルトだった。
「ほら、使え」
「え、ええ」
二人はこうした中で料理を作ってだった。そのうえで二人で同じテーブルに座る。その料理は中々手の込んだものだった。
「よくできてるじゃない」
「そうか?」
「アルトの癖に生意気よ」
冗談めかしてこんなことを言う。
「男なのにこんなにできるなんて」
「一人暮らしをしているからな」
「それでなの」
「ああ、できるようになった」
こう話すのであった。そのうえでだ。
「しかしシェリル」
「何?」
「確かにアルコールじゃないけれどな」
シャンパンを飲むそのシェリルを見ての言葉だ。彼女はどんどん飲んでいた。
「それでもその飲み方は」
「いいのよ」
「いいって何がだ」
「ずっとこういうのに憧れてたの」
ここでだった。幼いスラムの日々で上に見える窓から見た別の家の団欒の姿を思い出した。それは幼い彼女にとっては別の世界のことだった。
「ずっとね」
「憧れか」
「そうよ。誰かと一緒に楽しく御飯を食べることがね」
「今までなかったのか」
「なかったわ。温かい場なんてね」
寂しい顔になっての言葉だった。
「なかったわ」
「今の事務所の社長さんはどうだ?」
「いい人よ。徳川さんもね」
「ああ、あのゼントラーディの演歌歌手の人か」
「とてもいい人よ。だから今は幸せよ」
「そうか。ならいいんだがな」
「じゃあどんどん食べましょう」
シェリルの方から言ってきた。
「楽しくね」
「ああ、わかった」
アルトはシェリルのその言葉に頷き彼もその温かい場を楽しんだ。それが終わってからであった。
シェリルはソファーの上でまどろんでしまった。酔ってのせいだ。
そのシェリルを見てだ。アルトは呟くのだった。
「らしくないぜ」
苦笑いと共にであった。こう呟いたのだ。
そしてクランはだ。ミ
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