第五十三話 ノーザン=クロス
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である。
「そうだな」
「はい、それは」
「あります」
その通りだというのである。
「パソコンには落としてあります」
「何時でも送信もできますが」
「それならそれを送信してくれ」
大文字の決断は迅速だった。
「ロンド=ベル全員にだ」
「全員にですか」
「それを」
「そうだ。そして」
大文字の言葉は続く。
「全員に判断をしてもらおう。それぞれな」
「それぞれですか」
「俺達自身が決める」
「そうしろっていうんですか」
「そうするとしよう」
大文字の言葉は強いものだった。
「だからだ。わかったな」
「ええ、わかりました」
「それならですね」
「今から」
「そうする。いいな」
こうしてであった。すぐにオズマとキャサリンが全員にそのデータを送信した。それを見てだ。ミシェルとクランが話した。
「そんなことだったなんてな」
「ああ、これは考えなかった」
「まあ今の俺はな」
ここでだ。ミシェルは諦めた声を出した。
「ここで絶対安静だったな」
「暫くはな」
「動けないからな」
その諦めた声での言葉だった。
「絶対にな。仕方ないな」
「そうだ。では御前は」
「ここに残るさ」
これがミシェルの決断だった。
「また縁があればあっちに戻れるしな」
「そうか」
「クラン、御前はどうするんだ?」
クランに顔を向けて問うた。
「それでどうするんだ?」
「私か」
「ロンド=ベル、好きだろ」
クランに顔を向けての言葉である。
「だったらな」
「確かにロンド=ベルは好きだ」
クランもそれは認めた。
「それはだ」
「そうか。それならな」
「それなら?」
「行くんだな、ロンド=ベルに」
こうクランに告げた。
「今のうちだぜ、行くんならな」
「しかしだ」
だが、だ。クランはそのミシェルを見て告げた。
「御前はもっと好きだ」
「俺はか」
「そうだ、御前は今動けないな」
「ああ」
「その御前を放って行けるものか」
濡れた目でミシェルを見てだ。そのうえでの言葉だった。
「そういうことだ」
「そうか。俺の為か」
「今行ったな。縁があればまた一緒になれるとな」
「ああ、行ったさ」
「私も同じだ。ここは残る」
クランは断言した。
「御前と共にだ」
「わかった。じゃあ俺も今はフロンティアの人達の為にな」
「戻るか」
「他に誰が残るかな」
「それはわからない。だが私は残る」
「そうか。それじゃあな」
「宜しく頼む」
二人で言い合う。そうしてであった。
ルカもだ。決断したのであった。
「ナナセさん、ずっと傍にいますから」
まだ起きない彼女の枕元でだ。こう言うのだった。
アルトもだった。その己の携帯を見て言う。
「残る、あ
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